2025年01月20日
PHP講座
【講座レポート】プログラミングを仕事にするためのPHP入門講座(全6回・無料)
特集・イベント
佐世保市ではIT人材の育成と企業のITによる業務改善・効率化を進めるために、2023年度から『ITスキルで働き方を変える!デジタル人材育成講座』として2つの講座を開催しています。
今回の記事では、そのうちの1つであるIT業界に就職・再就職したい方を対象とした「プログラミングを仕事にするためのPHP入門講座」の様子をご紹介します。
現役エンジニアから学ぶPHP入門講座
本講義で学ぶPHP(Hypertext Preprocessor)は、Webサイトの約8割で使われているメジャーなプログラミング言語です。求人件数も多く、安定して使用されており、初めて学ぶプログラミングとしておすすめの言語とされています。
本講座を担当しているのは市内でプログラミングスクール「ユアスク」を運営する株式会社みんなシステムズ。講師は同社代表の野田祐機さんや「ユアスク」を卒業し、みんなシステムズで勤務する現役のシステムエンジニアが務めています。

野田さん(中央)とみんなシステムズのみなさん
本講義の特徴について野田さんに伺いました。
「1つ目の特徴としては、プログラム開発の言語の中でよく使われるPHPの初級が学べる点が挙げられます。この講座ではHTML、CSSを含めアプリケーション開発の基本の部分を学びます。プログラミングを学ぶ上で最初に行うのがパソコン内の環境構築で、これが大きなハードルになっています。そのハードルを超えてもらうためのサポートを丁寧に行っています」
昨年は対面講座のみの実施でしたが、今回から対面とオンラインのハイブリッド方式になりました。受講形態は両方選べますが対面の方が大半で、あわせて20名の方が受講されていました。

オンラインで受講されている皆さん
「2つ目の特徴としてあげられるのは学ぶ仲間を作れることです。オンライン受講の方も初回は会場に来てもらい、まずは受講生同士のつながりを作るようにしています。みなさん仲間の存在が学習をする上で大きな力になっています」と野田さん。
講座前も講座後も、テーブルではみな仲良く会話されている様子が印象的でした。笑顔もあふれ、さながら学生時代の教室のようなあたたかな雰囲気。みなで学び合う喜びを感じているようでした。
受講生はチャットツールSlackやLINEでグループを作って普段からコミュニケーションを取っているとのことで、平日には野田さんの会社へ出向いて勉強会をするなど、積極的に学習を進めています。
合計50時間の実践的な学習で習得をサポート
全6回の講座では25時間のプログラミング学習に加え、25時間の自習も課せられています。非常にハードな講習内容にも感じられますが、取材当日(5回目)まで1人もつまずくことなく、全員皆勤で頑張っているとのことでした。
今回は前回と違い、講義を始める前にパソコンにPHPの開発環境を準備するためのオリエンテーションを2回開催。野田さん曰く、本講義が始まる前の準備をしたことでスムーズに講義が進んでいるそうです。
この日はいよいよこれまで学んだことを活かし、プログラムを構築していく段階です。13時から14時までは野田さんの講義が行われ、わかりやすく解説。みな楽しそうに話を聞いていました。
野田さんの講義が終わると、自分のパソコンを使って作業をします。教科書に記載されているプログラミングの内容を実際に打ち込み、動作を確認していきます。エラーが出てしまったり、わからないことがあったら講師に質問する姿がありました。皆さん、真剣な目で画面を見つめていました。
「わからないことがあったらAIに聞いてみてください」と野田さん。GoogleのAIツールGeminiを活用しています。
「仕事をするうえで大切なのは、自分で考えて行動する力です。スキルを習得したからといってすぐ仕事ができるわけではありません。わからないところは先生に聞くのではなく、自分でいろいろ試しながら解決していく。チームに相談する。問題解決力、自走力をつけてもらうことも意識しています」と話され、働くことを想定した学びの場になっていることを感じました。
プログラム
第1回 | Webページ表示の仕組みを理解する |
第2回 | サンプルサイトのコーディング |
第3回 | PHPやJavaScriptを用いたプログラミングスキルの習得①
|
第4回 | PHPやJavaScriptを用いたプログラミングスキルの習得②
|
第5回 | データベースの理解 |
第6回 | Git/GitHubの使い方理解 |
サポーター企業も募り、より就職に直結
本講座ではサポーター企業という制度が設けられており、官民ともにIT人材の育成に励んでいます。「サポーター企業」とは佐世保市デジタル人材育成サポーター企業のことで、佐世保のIT人材の育成を支援する企業です。本年から制度がスタートし、現在12社が登録しています。
登録企業は講座中登壇する機会が設けられ、受講者の採用やインターンシップの受入れなどの情報を発信できます。第4回の講座では大新技研株式会社様が登壇され、会社説明が行われていました。
【佐世保市デジタル人材育成講座公式サイト】
https://sasebo-dx-seminar.studio.site/#support
サポーター企業一覧
エコー電子工業株式会社
オーシャンソリューションテクノロジー株式会社
株式会社日本ビジネスソフト
株式会社丸協食産
クオリム株式会社
大新技研株式会社
ほか6社
サポーター企業の支援内容
- 受講者の採用やインターンシップの受入れなど、就業支援
- 自社のデジタル化の取組や、IT人材の業務内容の紹介
- 受講者募集の周知協力
- 受講者への学習環境の提供
- 自社のIT人材による受講者の学習・就業支援 など
昨年のPHP講座を受講した方の中からはゼロから学んでプログラマーとして就職を勝ち取った方もいるとのこと。講座中には「将来はシステムの業務に就きたい、という話を面接でしたところ、”まずはアルバイトから”ということで仕事が決まった」「IT関連の会社に転職できました」との報告があり、就職に直結する価値の高い講座だと感じました。
IT人材として活躍の場が広がる
最後にIT人材の将来性や魅力について野田さんに伺いました。
「IT技術がどんどん変わっていく中でも、基本的なことはそこまで変わりません。システムの原理原則を知っていることはIT技術を使う上で自身の強みになると思います。今、人口減少で否応なしに自動化が求められています。そういった社会の変化の中ではIT人材は需要が高い。また、都市部の企業も地方での拠点を作る動きが生まれています。そういった働き口もありますし、サポーター企業のような地元企業もIT人材を求めていますからぜひ活躍していってほしいと思います」
社会に新しい価値を創造していくためにはITの活用がますます重要で、そのためにはIT・デジタル人材への需要は今後更に高まっていきます。
佐世保における新しい価値創造や地域活性化のためには、こうした人材育成とその受け皿となる企業のIT化やDX推進が欠かせません。
佐世保市およびVSIDEでは、そのための支援を多方面で行っていますのでご活用ください。
受講生の声
エミリン(仮称)さん(事務職)
20代の頃SE(システムエンジニア)として働いた経験があり、現職の事務職から転職を目指して受講しました。
野田さんの講義は例を出しながら説明してくれるのでとてもわかりやすかったです。また受講者同士のサポートも助かりました。わたしより先に学習を進めている方が多く、つまずいたところや、解決したことを教えてくれました。
今後は、学んだことを活かせるお仕事に転職したいと思っています。
烏川さん(サービス業)
データベースを駆使して業務に生かしたいという点と、システムを理解できるようにしておきたいという思いがあって受講しました。
先生の講義もとてもわかりやすく、一緒に学び合える仲間ができたことがとても財産になっています。正直まだよくわからないことが多いのですが、慣れることが大切だなと思いました。
将来は自分でプログラムを作りたいです。デザインも好きなので会社のホームページも管理できるようになれたらと思っています。
講座概要
- 講座名:プログラミングを仕事にするためのPHP入門講座
- 日程:2024年10月5日、12日、11月9日、23日、11月30日/13時〜18時
- 受講料:無料 但し教材費が別途必要