2025年02月04日

Start Up 99

【第6回Start Up 99】最終審査会まとめ/大賞は福島茉宙さん(佐賀県立佐賀商業高等学校)

特集・イベント

 

2025年1月25日(土)、第6回西九州させぼ広域都市圏ビジネスプランコンテスト(Start Up 99)の最終審査会を開催しました。

31チームの中から書類審査を通った10チームが登壇し、渾身のプレゼンテーションを行いました。本記事ではコンテスト当日の様子や受賞したビジネスプランを紹介します。

※この記事は2025年2月3日にStart Up 99サイトに掲載されたものを転載しています。

 

 

西九州から未来を創る!地域発のスタートアップ

 

「西九州させぼ広域都市圏ビジネスプランコンテスト(Start Up 99)」は、地域の課題を解決する新しい発想のビジネスプランを発掘し、西九州から全国や世界に展開できる事業の実現を支援するコンテストとして実施されています。

2020年の開始以来、6回目を迎えた今回は、学生と一般から31チームの応募がありました。2025年1月25日、佐世保市役所13階大会議室において、厳正な書類審査を通過した10チームが、それぞれ5分間のプレゼンテーションを行いました。

 

 

チームHI lab(長崎国際大学)

 

MITSUBACHI(藤澤明日香さん)

 

福島茉宙さん(佐賀県立佐賀商業高等学校)

 

奥田航大さん

 

副島さくらさん(伊万里実業高等学校)

 

神代 夏凜さん(佐世保工業高等専門学校)

 

チームKOA(佐世保工業高等専門学校)

 

Before Create(小池勇琉さん)

 

チーム緑 com(佐世保工業高等専門学校 )

 

 

チーム空きメタ(佐世保商業高等学校)

 

開会式では宮島大典佐世保市長が登壇し「過去の参加者の中から既に事業を立ち上げ、地域の枠を超えて活躍している方が現れています。これからも日本の希望となる人材が育っていくことを期待しています」と述べました。

 

大賞に輝いたチームには賞金30万円と「ミライ企業Nagasaki」への出場権が、準大賞には賞金15万円が授与されることが決定しています。また、地域の経済発展を支援する企業からの協賛により、5つの企業賞も設けられました。

 

 

 

今回大賞に輝いたのは、福島茉宙(まひろ)さん(佐賀県立佐賀商業高等学校)によるビジネスプラン「海の恵みを農業へ プランクトンで畑を元気に」です。本プランは企業賞のFFGベンチャービジネスパートナーズ賞も同時に受賞しています。審査委員からは「農業、漁業、双方の課題に対する解決策を提示し、実現可能性がきわめて高い」との評価が示されました。

受賞した福島さんは「このコンテストに向け、長い間準備を続けてきました。とても苦労して作ったプランだっただけに嬉しい結果となった。進学後は研究を深め、事業化に向けてさらなる可能性を追求していきます」と、今後の展望を語りました。

 

審査委員長を務めた岸原稔泰氏(一般社団法人Startup GoGo代表パートナー)は「第1回は社会人のみの参加でしたが、年を重ねるごとに大学生、高専生、高校生と参加者層が広がりました。このような発展を遂げているビジネスコンテストは他に例がありません。地域全体で挑戦者を支援する姿勢が、この成長を支えていると思います」と本大会を評価し「今後も新たな才能の発掘を、地域全体で応援していきましょう」と締めくくりました。

 

審査委員長の岸原稔泰氏

 

当日は協賛企業や教育機関の関係者など100名を超える来場者があり、各発表チームによる展示ブースでは、活発な意見交換や情報共有が行われました。

Start Up99は今後も本コンテストを通じて、地域の未来を担う起業家の育成と、西九州から全国へ展開する新規事業の創出に取り組んでまいります。

 

 

受賞したビジネスプランの紹介

 

【本選】

〇大賞
海の恵みを農業へ プランクトンで畑を元気に
福島 茉宙(佐賀県立佐賀商業高等学校)

 

 

有明海の赤潮による海苔の収穫量の減少と、化学肥料の原料価格の高騰の2つの課題を解決するため、プランクトンを原料とした農業用有機肥料の製造販売を発案。
小型船にプランクトン用ネットを設置してプランクトンを収集し、米ぬかと混ぜて肥料を製造する。赤潮の改善、自然環境への負荷の軽減という観点で、SDGsの3つの目標(11番の住み続けられるまちづくりを、14番の海の豊かさを守ろう、15番の陸の豊かさも守ろう)に寄与する。

《審査員から》
地域の課題を海から考え、さらに農業の課題にまで解決するという発想力がよかった。また、実際に漁業組合や農協、大学などと連携も取っており、実行力があるプランだと感じた。その事業化に向け進学し研究するという意欲も期待の一つとなった。

 

〇準大賞
True Camera~WEB3を活用したフェイク画像対策システム~
小池勇琉(Before Create)

 

 

撮った写真をNFT(コピーや改ざんができないデジタルデータ)にその場で変換するカメラアプリを開発。アプリに画像をアップロードすると改ざんされているかが確認でき、フェイク画像を使った詐欺などを防ぐことができる。地域の電気会社と連携して写真をNFTにするサーバーを設置し、Web3の事業を展開していきたい。

《審査員から》
フェイク画像による被害がなくなるよう、事業化を進めて欲しい。振り込め詐欺など犯罪を防げるようなアイデアがあればありがたい。引き続き頑張ってもらいたい。

 

 

サイレン、みえるけん!
神代夏凜(佐世保工業高等専門学校)

 

 

ドライバーによる緊急車両の進路妨害の解決策として、視覚的にサイレンを伝えるセンサーとモニターを製造し、販売するプラン。車体に4つのセンサーを付けることでセンサーの感知時差が起こり、それによって方角を特定。運転席から見える位置にモニターを設置し、救急車などの緊急車両が近づいた時に「左から救急車が来ています」など、文字と音声で案内する。これにより静粛性の高い自動車の運転手にはもちろん、視覚障がい者にも緊急車両が近づいたことを伝えられる。

《審査員から》
新しい視点で社会課題の解決に取り組む姿勢を学んだ。大手自動車会社などはこれから発売する車に対して最新技術を導入する動きがあるが、本プランでは、既存の自動車に対してアプローチしている点がすばらしいと感じた。

 

〇チャレンジ賞
佐世保から拡がる!SNS発信力の底上げ~人の魅力を届けるSNSノウハウ習得~
藤澤明日香(MITSUBACHI)

 

 

中小企業の人材不足、後継者不足の課題をSNS活用で解決する。7割の20代が就職活動にSNSを活用していることに着目。一方で長崎県の企業のSNS活用率が低い現状から企業向けに正しいSNS運用方法についてのサブスクリプション学習プランを策定。認知拡大、離職率の軽減を目指す。

《審査員から》
地域が抱える経営課題に真正面から向き合った心優しい提案だった。人と人との関係を作りながら実のあるビジネスプランを発展してもらいたい。

 

〇次世代起業家賞
農地マッチ
副島さくら(佐賀県立伊万里実業高等学校)

 

 

遊休農地の増加の課題に対し、高齢者農家と新規就農者の交流をサポートし、双方が安心して農業を営めるように支援するマッチングサービス。農家は大切な農地を引き継いでもらうことができ、新規就農者を育成することで農作業を楽しめる。また、新規就農者は農業指導があることで気軽に始められ、新しい農作物栽培や6次産業化のチャレンジができる。

《審査員から》
使われない農地を有効に活用して新規就農者を増やすという非常に秀逸なプランだった。難しい質問にも頑張ってよく答えてくれた。

 

企業賞

  • 株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ賞

海の恵みを農業へ プランクトンで畑を元気に
福島茉宙(佐賀県立佐賀商業高等学校)

 

 

  • GEUDA(一社)&WEBLIFE賞
    True Camera~WEB3を活用したフェイク画像対策システム~
    小池勇琉(Before Create)
  • トラストパーク株式会社賞

遠方に住む家族とのコミュニケーションを絶やさない
家族と街の写真/映像/メッセージ共有ツール〈Sasebo ライフボックス〉
奥田航大

遠隔地や施設などで暮らす家族とのコミュニケーションを増やすための情報共有プラットフォームの構築。介護施設と連携し、高齢家族の映像やメッセージを記録し遠方の家族と共有する。また、家族間で共有フォルダを作り、遺言書など大切な情報を保管する。これにより、電話やテキストだけでは見えない家族の変化や情報を受け取れる。

 

 

  • パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社賞
    True Camera ~WEB3を活用したフェイク画像対策システム~
    小池勇琉(Before Create)

 

  • 株式会社エミネントスラックス賞
    佐世保から拡がる!SNS発信力の底上げ~人の魅力を届けるSNSノウハウ習得~
    藤澤明日香(MITSUBACHI)

 

交流会の様子

 

 

 

 

 

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