2024年10月22日

ゼロベース思考

ビジネスのアイデア発想に活用したいゼロベース思考|発想力強化についても解説

起業・経営に役立つ知識

 

自分のビジネスを成功に導くためには、時にこれまでのこだわりや思い込みを捨てて、既存の枠組みにとらわれない発想が求められることがあります。
その方法の一つが「ゼロベース思考」であり、商品開発・企画やビジネスモデルの発案にあたり新しい発想を求める事業者にとっては、重要な思考法となるでしょう。

この記事では、主にビジネスのアイデア着想の観点から役立つ場面を想定しつつ、ゼロベース思考について解説します。

 

 

ゼロベース思考とは

ゼロベース思考とは、前提知識・思い込みを取り払い、ゼロから物事を考えることをいいます。ビジネスアイデアの着想をテーマにした場合、ゴールは「これまで思いつかなかった新しいビジネスアイデアの着想と実現」になるでしょう。

そのためには、これまでビジネス成立にあたって前提条件だと思っていたことや、過去から現在に至るまで自分が培ってきた経験につき、一度すべてを疑ってかかる必要があります。
その一方で、解決すべき課題の論点をずらさず、物事を大局的に見て、ビジネスモデルとのつながりを整理していきます。とはいえ、言うは易く行うは難しで、誰でも簡単にゼロベース思考ができたら苦労はしないでしょう。

 

そこで重要になるのが、ゼロベース思考をスムーズに進めるためのポイントを押さえることです。

 

 

ゼロベース思考をスムーズに進めるためのポイント

ゼロベース思考を自分のものにして、ビジネスアイデアの着想というゴールに向けて思考を広げるためには、次のポイントを念頭に置いて思考することが大切です。

 

思い込み・先入観に「気付く」努力をする

ゼロベース思考を自分のものにする第一歩として、自分が「きっとそうだ」と思っていることを、常に客観的に判断することが大切です。
自分が「こうだ」と思うのではなく、事実ベースで「AはBである」と考えるイメージが近いでしょう。

それに対して、実際には「AをBと言い切る根拠は何か」または「AだからBというのは言い過ぎではないのか」などと、一度自分が「そうだ」と思ったものを疑い、反証してみましょう。

 

仮に、ローカルフードのレストランを開きたいと考えているなら、本当にそのメニューでよいのか、そもそもレストランである必要はあるのか、キッチンカーでもビジネスは成立するのかなど、多方面から反証すると、その分アイデアが揺るぎないものになるはずです。

 

実現可能なアイデアか検証する

ゼロベース思考で生まれたアイデアは、前提条件を疑う分だけ、抽象的かつ理想的になる傾向にあります。
せっかくアイデアが思い浮かんでも、それを実現可能なレベルまで具体化しなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。

ビジネスアイデアが浮かんだら、いったん現在使えるリソースを整理して、実現に向けて具体的な案(仮説)を出していきます。

 

例えば、新しいビジネスアイデアを実現するにあたり「金融機関からお金を借りる必要がある」と考えていた場合、それをクラウドファンディングや別の手段で解決できないかどうか、そもそもお金を借りなくてもよい選択肢はないのか、柔軟に未来について思考を巡らせるイメージです。

その上で、実現したアイデアが顧客にウケるかどうか検証し、採算が取れそうならゴーサイン、という流れになります。その際、ゼロベース思考は一度で終わりにするのではなく、仮説検証を繰り返して軌道修正するのにも活用しましょう。

 

 

 

ゼロベース思考に役立つ「発想力」も強化しよう

ゼロベース思考でアイデアを出すためには、疑うだけではなく「根拠」にあたる情報も収集しておく必要があります。そのため、次にご紹介するような方法で、普段から発想力を鍛える努力をすることも大切です。

 

自分が普段触れない情報に触れる

インターネットなど、自ら気になる問題を検索して疑問を解決するツールに慣れてしまうと、いつの間にか知識が偏ってしまうことがあります。それを防ぐためには、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・書籍など、幅広い情報源から情報を拾うことが有益です。

個人に最適化されていない情報に触れることで、普段の生活の中で絶対に触れることのない情報を収集できるチャンスがあります。

 

例えば、自分がネイルサロンを経営している場合、主に女性のネイルファッションについて情報収集する人が多いと思いますが、新聞などで「爪に気を配っている男性が増えている」という情報に触れた場合、これまでにないターゲットに向けた商品のアイデアが思い浮かぶかもしれません。

 

色々な人とコミュニケーションをとる

日本中・世界中に目を向けると、実にたくさんの人がそれぞれの考えを持っています。
中には自分が受け入れがたい考え方をしている人もいますが、逆に「こんな考えもあるのか!」と新たな発見をする可能性もあります。

毎日でなくても構いませんが、友人や家族とだけでなく、業界・職種・年代・役職など様々な点で自分と違う人と、色々な会話をする機会を増やしてみましょう。
難しく考える必要はなく、例えば新しい習い事を始めるだけでも、新しい人間関係が生まれるはずです。

 

「失敗は成功のもと」の精神でアイデアを試す

すべてのアイデアは、アイデアが浮かんだ時点において、成功する保証はまったくありません。そのため、周囲に批判されたり、誰かから否定されたりすることもあります。

しかし、それをバネにしてアイデアを具体化するうちに、ちょっとやそっとの失敗ではへこたれない精神力を培うことができます。
トライ&エラーは、アイデアを実現するために不可欠なものと考え、チャレンジを継続しましょう。

 

まとめ

ゼロベース思考とは、前提知識や思い込みを捨て、ゼロから物事を考えることです。
ビジネスアイデアの創出において、ゼロベース思考はこれまでの前提条件や経験を疑い、新しい視点からアイデアを生み出すのに役立ちます。

思い込みや先入観を排し、実現可能なアイデアかどうか検証を続けることで、スムーズにゼロベース思考に取り組めるようになるでしょう。
同時に、発想力を鍛えるための努力も怠らないことが大切です。