2026年09月19日

AI

中小企業こそ必要なAX|DXとの違いとは?

起業・経営に役立つ知識

中小企業こそ必要なAX|DXとの違いとは?

 

近年、AIツールの台頭は世界的に著しく、その機能も細分化されてきています。

そのような中、日々の業務を回すだけで精いっぱいで、AXどころかDXもおぼつかないと感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。

 

地方企業の人手不足傾向が強まる中、少数精鋭で事業運営を継続するためには、AX(AIトランスフォーメーション)の迅速な推進が鍵になるでしょう。

この記事では、AXの基礎知識やDXとの違いについて触れつつ、佐世保市の具体的事例や活用可能な補助金などについて幅広く解説します。

 

 

AX(AIトランスフォーメーション)とは

DXが取り上げられたタイミングでもそうでしたが、AXも詳細が分からない人にとっては、何をどうすることなのかイメージが湧かないかもしれません。

まずは、AXという単語がどのような意味を持つのかについて解説します。

 

AXの概要と意義

AXは、概ね以下のような意味合いで理解されています。

AI(人工知能)経営・実務の中心に据え、業務プロセスや意思決定の高度化、新たな価値創造を実現すること

AIに経営のすべてを任せるのではなく、人間の得意分野とAIの得意分野を分け、自社の強みをより引き立たせるという意味で用いられます。

近年話題となっているAIツールの多くは、次のような能力に優れています。

 

  • データ分析、予測
  • 文章、画像生成
  • 動画生成、音楽作成 など

 

経営上の判断やクリエイティブにつき、これまで人力主体で行ってきた作業を効率化・高度化することで、自社の企業価値を高めることが、AX推進の目的といえます。

 

DXとAXの違いは?

かつて多くの企業が推進した、あるいは推進を検討した「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、AXと比較して、どのような違いがあるのでしょうか。

以下、それぞれの違いについてまとめました。

 

項目 DX(デジタルトランスフォーメーション) AX(AIトランスフォーメーション)
主役となる

技術

各種クラウドサービス、ペーパーレス、IoTなど 生成AI、画像認識、情報分析など
主な目的 アナログ業務のデジタル化、業務効率化など 判断・予測の自動化、知的業務の効率化・高度化など
アプローチ 会社全体での変革

※ハイコスト

業務を絞って適用可能

※ローコストからスタート可

 

DXでは、アナログからデジタル、郵送からインターネットといったように、実務に使用するツールそのものを変革しつつも、実際に実務を行うのは人間です。

しかし、AXが実現した場合、AI自身が商品の需要予測を行ったり、各種書類・資料を作成したりできるようになります。

 

地方企業におけるAXの重要性とは

佐世保に限った話ではなく、地方都市では深刻な労働人口の減少が続いています。

大企業とは違い、採用コストが限られる中小企業にとって、AIは人力に頼らず生産性向上に直結する救世主になり得る存在です。

いつかは自社を離れるベテラン社員が培ってきた、経験・勘といった暗黙知は、AIの高度な分析によってマニュアル化できる可能性があります。

また、形式が決まっているビジネス文書の作成、定型的な仕訳など、実務上必ずしも人間の手を必要としない作業を任せられれば、空いた時間で別件に対処できます。

人の手が不足しているからこそ、AXをどこまで進めるかが、将来の円滑な事業運営に効いてくるといえるでしょう。

 

 

AX推進が佐世保の中小企業にもたらす3つのメリット

どのような形でAIを活用するのかにもよりますが、AXがもたらすメリットは、大きく以下の3つに分類されます。

 

業務自動化による人手不足解消

データ入力など特殊技能を必要としない事務作業や、顧客からの一時対応をAIに任せると、人間は対面での接客や営業など、より重要性の高い業務に注力できるようになります。

例えば、議事録作成の自動化、自社サイトのAIチャットボット導入を実現できれば、それだけスタッフ対応の機会を減らすことができます。

 

人力に頼らない業務効率化

製造業の現場で、AIによる画像認識・データ解析を導入すると、これまで人力に頼ってきた検品作業を自動化することにつながります。

また、物流・小売の現場では、配送ルートや在庫の最適化にも活用できるでしょう。

人力で対応する場合に比べて、ヒューマンエラーのリスクも低く抑えられるため、廃棄コストや残業代の削減メリットが期待できます。

 

データによる意思決定・課題解決が可能に

過去の売上データや天候、実施されたイベント情報などをAIに読み込ませ、将来の需要を予測できれば、仕入れの負担やマーケティングが円滑に進むでしょう。

プレゼンの場面でも、数字という根拠をもって説得できる分、参加者の理解度・納得度を高められます。

 

佐世保の企業がAXを成功させるためのポイントと補助金活用

佐世保市の中小企業がAXに取り組むためには、まず「失敗のリスクを最小限にする」ことを意識したいところです。

以下、成功へのポイントと、補助金の活用について解説します。

 

「スモールスタート」と「社内ルール」の徹底

AXは、DXのように「一度にすべてを変える」ような変革を必要としません。

細分化したAIツールの特徴を踏まえ、自社で特に課題感が高い業務から、小さく始めるスモールスタートが安心です。

社内向けメール文章の作成や議事録作成の自動化など、事業運営に深刻なダメージを与えるリスクが少ない業務から試しましょう。

また、実際に導入する際は、社内データや機密情報の漏洩を防げるよう、セキュリティの設定についてもシビアに行ってください。

実務の中で、社員が安全性の低いAIツール、または無料プランを利用しないよう、社内のルールも明文化することが大切です。

 

補助金の活用

AI導入やAI人材の育成にかける予算が確保できない場合は、国や長崎県が実施している補助金の活用を検討しましょう。

長崎県には「デジタル力向上支援事業費補助金」「長崎県AI活用力向上支援事業費補助金」といった、県内の中小企業・小規模事業者向けの制度があります。国の制度としては、令和7年度補正予算事業から「IT導入補助金」より名称変更された「デジタル化・AI導入補助金」や、「中小企業省力化投資補助金」などが挙げられます。

 

ただし、補助金は年度ごとに要件や補助率が見直されるもので、予算上限に達した時点で受付が終了したり、制度自体が次年度に姿を変えたりすることも珍しくありません。この記事で名前を挙げた制度も、ご覧のタイミングでは募集が終わっている可能性があります。

そのため、詳細は必ず各制度の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。

 

今後のAI関連補助金をチェックし続けるために

活用を後押しする方向で動いています。今の制度が終了しても、形を変えた支援策が出てくる可能性は高いと考えてよいでしょう。

情報を取りこぼさないために、次のような窓口を定期的にチェックしておくことをおすすめします。

 

  • 国の制度:中小企業庁の補助金公募ページ、中小企業向け支援サイト「ミラサポplus」「J-Net21」
  • 県の制度:長崎県ホームページ(産業労働部)、長崎県産業振興財団
  • 市・地域の制度:佐世保市ホームページ、佐世保商工会議所、各商工会
  • 身近な専門家:顧問税理士・社会保険労務士、取引金融機関、認定経営革新等支援機関

 

特に、商工会議所や金融機関のメールマガジン・セミナー案内は、公募開始と同時に情報が届くため効率的です。

また、多くの補助金は交付決定前に発注・契約したものが対象外となります。良いツールを見つけても、申請の見通しが立つまで発注を待つ、という段取りだけは押さえておきましょう。

 

AX推進は、大企業よりも中小企業・小規模事業者の方が、より大きく恩恵を感じられるかもしれません。

自社が人手不足や生産性向上を課題としている場合は、いったん自社のどの業務がAIで改善できそうか、身近なところから見直してみることをおすすめします。