2023年12月05日

発想法

あなたの「頭の中のアイデア」をビジネスモデルに昇華する方法

起業・経営に役立つ知識

 

新しいビジネスを手掛けるにあたって、独創的なアイデアは強力な武器となります。
アイデアを具体化できれば、起業のチャンスを作り出したり、企業が大きな飛躍をとげたりすることにつながります。

しかし、頭の中にあるアイデアの多くは抽象的であることから、現実的なビジネスモデルにまで昇華する必要があります。
この記事では、自分の頭の中にあるアイデアを無駄にせず、ビジネスモデルにまで昇華するための方法について解説します。

 

 

ビジネスモデルとは

ビジネスモデルとは、商品・サービスなどの付加価値を提供し、収益を得るまでの仕組みをいいます。そのビジネスが「誰に」・「何を」・「どのように」売って利益を出すものなのか、明確に具体化されたものといってもよいでしょう。

良いビジネスモデルは、事業が継続して成立することの根拠となり、説得力のあるビジネスモデルは出資をつのる際にも有利です。
また、自社特有の強みをビジネスモデルに組み込むことも、競争力を高めることにつながります。

 

「ビジネスモデル」と「アイデア」の違い

ビジネスモデルは、実際にビジネスが継続することを想定して構築されます。
これに対してアイデアは、その段階では新事業・新商品のもとになる「思いつき」にすぎません。

アイデアを思いついた段階では、珍しさや面白さからワクワクするかもしれませんが、突発的に思い浮かんだアイデアは以下の要素が不十分な傾向にあります。

 

  • 収益性
  • 社会性
  • 持続性

 

事業は基本的に稼げる・儲かることが前提となるため、顧客および社会のためになるアイデアでなければ、仮に商品化したとしても顧客に選ばれない可能性があります。
そのため、アイデアはそのまま寝かせるのではなく、より具体的に収益をあげられるよう書き起こして洗練する必要があるのです。

 

 

アイデアをビジネスモデルとして成立させるポイント

思い浮かんだアイデアを、具体的なビジネスモデルとして成立させるには、アイデアが成功に結び付くような道筋を立ててあげる必要があります。
以下、アイデアをビジネスモデルとして成立させるポイントをいくつかご紹介します。

 

事業が成立するポイントを押さえる

成功したビジネスモデルは、ほぼ例外なく事業が成立するポイントを押さえています。
具体的には、次のような点を明確化した上でビジネスモデルが構築されています。

 

  • 顧客の課題
  • 他社と比較した際の優位性
  • 解決策を作り出すリソース
  • 顧客への商品、サービスの提供手段
  • 顧客からお金をもらう仕組み

 

アイデアを軸に上記内容を具体化することで、アイデアが持つ魅力も明確になり、一定数の顧客が商品・サービスを求めるイメージが社内で共有できるでしょう。

 

アイデアが収益を生む流れをストーリー化する

アイデアは、持続的にビジネスが回るようビジネスモデル化しなければ、ビジネスには応用できません。
よって、なぜ継続して自社の商品・サービスが求められるのか、収益の流れをストーリー化することが大切です。

ストーリーを構築する順序としては、次のような流れが考えられます。

 

  1. 顧客の課題
  2. 競合他社と比較した自社の強み
  3. 商品・サービスを生み出す仕組み
  4. 商品・サービスの提供方法
  5. 収益源

 

これら5つの要素を具体的に考えた上で、継続してビジネスが回るよう、ストーリーをつなぎ合わせることが肝心です。

 

NGケースを理解する

アイデアをベースにビジネスモデルを構築しようとする場合、それが利益を出せるかどうか・持続するかどうかが重要になります。
多くのアイデアがビジネスモデルにまで昇華しないのは、アイデアそのものが陳腐である可能性も含め、事業として成立していないからだと考えられます。

例えば、以下のような穴があるビジネスモデルは、持続的に収益をあげられるビジネスモデルとはいえません。

 

  • 自社が顧客に選ばれる理由が明確になっていない
  • 商品生産から販売までの流れが不明瞭
  • 料金や課金方法が具体的に決まっていない
  • 自社が収益を出すまでの流れがストーリー化できていない

 

現在ビジネスモデル化を検討しているアイデアがある場合、これらの点が明確になっているかどうか、今一度検討してみましょう。

 

 

 

 

ビジネスモデルにするアイデアが思い浮かばないときは

ビジネスモデルの構築を進めたいと考えているものの、そもそもアイデア自体が思い浮かばず困っているケースは少なくありません。
そのような場合、次にご紹介するような視点をもとに、アイデアを考えてみましょう。

 

生活における不満から考える

普段生活する中で、多くの人は「こうだったらいいのに」と思いながら、既存の商品・サービスを使っていることが多いものです。
一見どうでもよい悩みに思えることでも、他の人が悩んでいるなら、それはビジネスモデルにつながるアイデアになる可能性を秘めています。

人気のRPGシリーズ「ドラゴンクエスト」の生みの親である堀井雄二氏は、パソコンで遊ぶゲームソフト制作時、友人に「ゲームに対する文句」を言ってもらっていたそうです。
その文句の中に「命令をひらがな入力で打ち込むのが面倒くさい」というものがあり、そこからあらかじめコマンドを用意して、ユーザーにそれを選択させるという仕様が生まれました。

 

現在働いている業界の課題から考える

世間一般の不満や悩みを想像するのは難しくても、自分が現在働いている業界が持つ悩みであれば、想像しやすいという人も多いのではないでしょうか。
そのような悩みの解決につながるアイデアは、取引先も見つけやすいため、ビジネスモデル構築につながりやすいでしょう。

自社で新入社員を教育するのが難しいという理由から、ビジネスマナー講師に社員教育を依頼するケースは少なくありませんが、同様のケースは業界レベルでも存在しています。
「他社が自力でまかなえない部分をサポートする」という観点から、アイデアをまとめてみましょう。

 

色々な場所でコミュニケーションをとってみる

自分一人で悩んでいても、なかなか良いアイデアは生まれにくいため、色々な場所でコミュニケーションをとることも発想の転換につながります。
特に、顧客や店員の声を拾い集めると、先述した不満や課題などが見えやすくなります。

機会があれば、資産家・お金持ちの人と話をしてみて、どんなことに喜んでお金を支払うのか知ることも大切です。
継続して収益を得るという観点から考えると、資産家は非常に信頼できる顧客の一人だからです。

 

 

まとめ

アイデアは、ビジネスモデルとして具体化することで、継続的な収益への道筋が立ちます。
顧客の課題や競合他社に比べての優位性など、商品・サービス自体の説得力も重要ですが、提供方法や集金方法など、最終的に「お金が手に入る」段階まで緻密に構築することが大切です。

アイデアが思い浮かばないときは、生活における不満や業界の課題などに目を向けて、自分が貢献できることを考えてみましょう。
コミュニケーションの中で情報収集することも、良いアイデアをひらめくことにつながります。