2024年01月06日

リスキリング/プログラミング

【講座レポート】プログラミングを仕事にするためのPHP入門講座(全6回・無料)

特集・イベント、支援情報

 

スマートフォンや家電類といった暮らしに身近なものから、自動車や産業機械、製品・サービスの開発や分析などまで、あらゆるモノ・コトのデジタル化が進んでいます。

デジタル技術に代表されるIT(デジタル化された情報を活用するための技術やシステムの導入)は私たちの生活に欠かせないものとなっている反面、経済産業省の発表では2030年に最大79万人のデジタル社会を支えるIT人材が不足するとの試算結果が出ています。

 

そこで佐世保市ではIT人材の育成と企業のITによる業務改善・効率化を進めるために、10月から『ITスキルで働き方を変える!デジタル人材育成講座』として2つの講座を開催しています。

今回の記事では、そのうちの1つであるIT業界に就職・再就職したい方を対象とした「プログラミングを仕事にするためのPHP入門講座」の様子をご紹介します。

 

 

現役エンジニアから学ぶPHP入門講座

PHP(Hypertext Preprocessor)はウェブサイトをつくる際に最も使われているプログラミング言語です。身近な例でいえば、Facebookも当初はPHPでできていました。またウェブサイトだけでなく、経費精算や見積書作成などの業務システムにも幅広く使える言語としても人気です。

講座(※)を担当しているのは市内でプログラミングスクール「ユアスク」を運営する株式会社みんなシステムズ。講師は同社代表の野田祐機さんや「ユアスク」を卒業し、みんなシステムズで勤務する現役のシステムエンジニアが務めています。

※この事業は西海みずき信用組合が受託・運営し、みんなシステムズが講座を担当しています

 

野田さんによると「この講座では実際のユアスクの初級講座そのままなので、未経験者がPHPの基礎的な知識とスキルを学習し、プログラマーとして就職できる基本をしっかりと身につけることができます。もちろんプロになるためには基礎だけでは不十分で500時間以上の学習が必要とされていますが、まず学び始めの50~60時間で最もつまづきやすいと言われているんです。その最初のハードルを越えてもらうため、私たちがサポートをしています」

 

(左)西信さん(西海みずき信用組合:講座運営)(右)野田さん(みんなシステムズ:講座担当)

 

 

合計50時間の実践的な学習で習得をサポート

全6回の講座では25時間のプログラミング学習に加え、25時間の自習も課せられています。非常にハードな講習内容にも感じられますが、取材当日(5回目)まで1人もつまづくことなく、全員皆勤で頑張っているとのことでした。

 

講座運営にあたって気をつけていることについて、野田さんに聞くと「プログラミング学習では、決められたルールに従って操作するなど慣れないことが多くつまずいてしまいがちです。そのため講座では「習うより慣れろ」で、とにかく手を動かして(プログラムを作成)もらうようにしています。実践的に手を動かしてわからないところを質問していくことで、より早く習得できるんです」とのことでした。

 

講師からの解説だけでなく、プログラムを作成した際の疑問や気づきなどの振り返りを行った後に、手を動かしてとにかく体に覚え込ませる実践形式で進行し、集中してタイピングする受講生の真剣な姿が印象的でした。

 

 

 

 

 

 

プログラム

全6回の講座では以下のように基礎から段階的に学べるものとなっています。初心者には一見難しそうに思えますが、講座、自習に加えチャットでの質疑応答といったサポート体制や「みんなで頑張る雰囲気」づくりに努めていることで、つまずくことなく着実に身にけられるようになっています。

 

初回、2回目 HTML(※1)とCSS(※2)を使って自分のプロフィールページ作成
3回目 Javascript(※3)
4回目 データベースの基本
5、6回目 これまでの学習からメモ帳アプリを実際に作成

 

※1:HTML(Hyper Text Markup Language)とはウェブページに段落や見出し、リンクの挿入、画像の表示を行うことができる言語
※2:CSS(Cascading Style Sheets)とは、ウェブページの文字の色や大きさ、背景、配置といった見た目を設定することができる言語
※3:Javascriptとは、ボタンに触れると形や色が変わったり、スライドショー、ログインなどウェブページにさまざまな機能を実装する言語

 

 

IT・デジタルのスキルは仕事や就職の幅を広げられる

講座では定員15名の募集に対して20代から60代まで28名の応募があり、プログラミングへのニーズの高さが伺えました。また受講生の約7割が女性です。これに対し野田さんは、子育てが終わった後も働けるスキルを身につけたいというニーズがあるようだとし、さらに職業としてのプログラマーの魅力も教えてくれました。

 

「社会的なニーズだけでなく、プログラマーは長く働けますし、在宅勤務も可能な職業です。就職先もプログラマーとしてシステム会社や、企業のシステム部門など様々な選択肢があります。またプログラマーじゃなくても、IT企業の営業職などプログラムの知識があると就職に有利です」

 

社会に新しい価値を創造していくためにはITの存在が不可欠で、そのためにはIT・デジタル人材への需要は今後ますます高まっていきます。
佐世保における新しい価値創造や地域活性化のためには、こうした人材育成とその受け皿となる企業のIT化やDX推進が欠かせません。
佐世保市およびVSIDEでは、そのための支援を多方面で行っていますのでご活用ください。

 

 

 

受講生の声

吉崎さん(50代・男性)

普段は職業訓練学校の講師としてHTMLとCSSを教えていますが、プログラミングは初心者です。年代的にプログラミングには触れてこなかったのですが、今後社会に置いて行かれないようにと覚悟を持って受講しました。これをきっかけにきちんとプログラミングを習得して、ステップアップしていきたいです

 

浅田さん(20代・女性)

コールセンターに勤務していますが、プログラミングができるとIT系の部署へ異動できるため今回受講しました。もともとIT系を志望していましたし、エクセルのマクロを独学で勉強して楽しかった経験もあり、もっと学んでいろんなプログラムを自分で作れるようになりたいです

 

フォードさん(20代・女性)

IT関係に興味や憧れがあって職業訓練校でウェブデザインを学んでいます。職業訓練校でウェブサイトはつくれるようになりましたが、もっと詳しく知りたいと思って受講しました。講師が現役のエンジニアなのでよく教えてくれますし、身についているなと感じています

 

熊川さん(30代・女性)

子供が幼稚園に通うようになり、自分の時間ができたことで再就職するために受講しました。もともとウェブ関係の仕事には興味がありましたが、PHPについてはほとんど知識はありませんでした。もっと頑張って、プログラムができるカッコいいお母さんになりたいと思っています

 

左から、吉崎さん、浅田さん、フォードさん、熊川さん

 


 

講座概要

  • 講座名:プログラミングを仕事にするためのPHP入門講座
  • 日程:2023年10月21日、28日、11月11日、25日、12月9日、23日/13時〜18時
  • 受講料:無料 但し教材費が別途必要