2024年01月30日
中小企業のIT・DX
【講座レポート】ITで自社の生産性を高めるためのkinetone導入講座(全6回・無料)
特集・イベント、支援情報
佐世保市では市内のIT人材の育成と企業のITによる業務改善‧効率化を後押しするために、10月から『ITスキルで働き方を変える!デジタル人材育成講座』として2つの講座を行っています。
今回の記事では、前回のPHP入門講座のレポートに続いて、2つ目の柱となるITスキルで業務効率化を進めたい方を対象とした「ITで自社の生産性を高めるためのkintone導入講座」の様子をご紹介します。
中小企業に必要なのは小規模な社内DX
ポストコロナ時代における働き方の見直しや、デジタル時代、人材不足に対応する業務改善・効率化のために必要とされているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。
しかし中小企業において『デジタル技術を活用して変革を起こす』ほどのDXを実現するのは難しい面があります。そこで注目されているのが社内業務プロセスを見直していく小規模なDX、いわゆる社内DXです。
プログラムの知識ゼロで業務アプリを作ることができるkintone
kintone(キントーン)はサイボウズ株式会社による業務アプリです。ユーザーに詳しいプログラミングの知識がなくても、社内業務のシステム化や効率化を実現するアプリをつくることができるクラウドサービスとして提供されています。
kintoneで作成したアプリに入力されたデータはインターネットを介して社内で共有できます。これまで紙やFAXで管理している情報や担当者だけで管理していたエクセルデータなどをkintoneに集約することで、社内全体で情報共有ができるだけでなく、管理や編集もできるようになります。そのため業務データは一元化され、常に最新の情報になるため、バージョン管理等が不要となり効率的になります。
講師はサイボウズ社のオフィシャルパートナーである株式会社グローバルビーの田川好美さんです。長崎県内でもkintoneを使ったDX化の支援実績が多数あります。
「kintoneは外部のシステム会社に依頼しなくても、自社の社員で簡単に業務アプリを作ることができるツールです。アプリの作成というと難しそうに思えますが、kintoneではパズルを組み立てる感覚で簡単に作ることができます」
田川さんによると、kintoneでは必要なパーツをドラッグ&ドロップで並べていくことでアプリを作成できるようになっているため、人によってはワード・エクセルよりも簡単に思えるかもしれないとのことでした。
業務効率化・改善を目指す市内企業から12名が受講
全6回の講座ではkintoneの基本機能を受講者のニーズに合わせて学べるようになっており、アプリの完成をイメージしながら、入力欄の挿入方法やデータの読み込み方といった必要な機能を理解していきます。
受講生は市内企業の経営者、幹部の方から事務職、営業職の方まで12名。すでにkintoneを導入していて、もっと使いこなしたいと受講された方をはじめ、何らかの業務効率化ツール導入を検討されている方、何かDX的なことをやらなければいけないなと感じて受講された方まで、それぞれが自社で必要なアプリを想定しながらkintoneに向き合っていました。
プログラム
全6回の講座ではkintoneの基本操作から始まり、サンプルを利用したアプリ作成の大まかな流れをつかみます。そしてさまざまな基本機能を学んだうえで課題のアプリを作成するという、初心者でも無理なくステップアップできるものとなっています。
第1回 | ログイン、受講記録登録、レコード新規登録 他 |
第2回 | アプリの作成(サンプルアプリから作成、はじめから作成、エクセルを読み込んで作成 他) |
第3回 | 計算(掛け算*、文字列結合&)、ルックアップフィールド 他 |
第4回 | レコードの条件通知、リマインダーの条件通知 他 |
第5回 | グループワークで課題アプリ作成 他 |
第6回 | グループワークで課題アプリ作成 他 |
kintone導入を業務改善・効率化のきっかけに
講師の田川さんにkintoneによる業務改善・効率化のポイントを伺いました。
「業務改善・効率化のポイントは、まず自社の業務フローを見直すことです。目の前の業務を細かく洗い出し、無理・無駄はないか、やらなくてもいいことはないか・デジタルに置き換えると時短になったり、楽ラクになるんじゃないかという部分を探してみてみましょう。そういったことがすぐに思い浮かばなくても、「なんとなくやってみようかな」「興味がある」と思われた方はkintone導入が1つのきっかけになると思います」
受講生の方々の業種や職種はさまざまでしたが、そこには人手不足を背景とした危機感や、ITツール導入による業務効率化への期待があることは間違いありません。
ITに詳しい人材が不足しがちな中小企業にとって、kintoneのようなノーコードツール(※)は今後ますます広がりを見せていくと思われます。もちろん企業によってはもっと高機能なものをシステム会社にオーダーする必要があるでしょう。しかし自社に必要な機能を手軽に素早く手に入れられるというメリットは見逃せません。
kintoneに限らず自社にあった形、ツールでIT化を進めるということは、人手不足の時代においてビジネスの成長スピードを上げていくポイントにもなるでしょう。
※:プログラミングの知識がなくても、用意されたパーツを組み合わせることで簡単にアプリケーションやウェブサイトを作成できるもの
佐世保市およびVSIDEでは、企業のIT化やDX推進の支援を行っています。またツール導入に際して、補助金を活用する場合のサポートも行っています。ご相談は無料ですのでご活用ください。
受講生の声
平倉さん(会社経営)
現在、kintoneを導入して1年ほどになります。kintone導入の一番の理由は、業務の属人化をなくすことです。エクセルでのデータ管理をやめ、すべてキントーンで管理することを目指しています。また体温やアルコールのチェック、私自身のスケジュール管理等もkintoneで行い、全社で共有しています。
藤井さん(営業職)
kintoneを提供しているサイボウズ社のガルーンというグループウェアを全営業所の60名程で使っています。勤怠管理や経費精算を効率化したくて、kinetoneでどこまでできるのか知りたくて受講しました。導入するかどうかはもう少し学んでから考えたいと思います。 |
講座概要
- 講座名:ITで自社の生産性を高めるためのkintone導入講座
- 日程:2023年11月14日、21日、28日、12月5日、12日、19日/19時〜21時
- 受講料:無料
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