2025年07月11日

SNS活用

TikTokのビジネス活用|成功事例も併せて紹介

起業・経営に役立つ知識

 

X(旧Twitter)やInstagramといったSNSは、多くの企業がアカウントを持ち、ビジネスに運用されてきました。近年では、それに加えてショート動画を投稿する「TikTok」のビジネス活用が進んでいます。

TikTokと聞いて、いわゆるおもしろ動画、ダンス動画などを思い浮かべる人は多いかもしれませんが、近年ではマーケティングの一環として使用される例も増えてきています。
この記事では、TikTokのビジネス活用について、メリットや成功事例も含め解説します。

 

 

企業がTikTokをビジネスで活用するメリットとは

企業がTikTokをビジネスで活用する主なメリットとしては、次のようなものがあげられます。

 

「リーチ力」の高さ

これまでのSNSは、いかにフォロワーを増やしてコンテンツを見てもらうかが重要な戦略の一つでした。
しかし、TikTokはアルゴリズムにより「フォロワー外」のユーザーにもコンテンツを表示するため、初めて投稿した内容でもバズる可能性を秘めています。

また、10~20代という若年層が多く利用していることから、若年層へのリーチ力も高い傾向にあります。
例えば新卒・既卒採用や、感情に訴える商品訴求などを目的として運用するには、メリットの大きいツールといえるでしょう。

 

「広告らしさ」の低減

様々なSNSで、企業等が広告を打ち出せるようになりましたが、一般的に広告は敬遠されがちです。
しかし、ショート動画を配信するTikTokは、商品・サービス紹介を自然に演出しやすく、編集次第では広告と認識されないまま商品等の訴求につなげられます。

動画を加工するための音楽・加工ツール・フィルタなどは、基本的にテンプレートとして用意されており、動画制作や編集関連のノウハウがない担当者でも簡単にコンテンツを作成できます。
他のSNSで動画制作をあきらめた人も、TikTokならアプリ一つで作業を終わらせることも可能なため、チャレンジするメリットは十分あります。

 

「リアル」の追求

Instagramは、いわゆる「映え」を追求して、良い情報だけを盛り込む運用の仕方をしているアカウントが多く見られました。
しかし、近年では「リアル」な情報を見たいと考えるユーザーが増えてきており、職場や社員のリアルな状況をSNSで発信するアカウントが評価を集めやすくなってきています。

いわゆる「中の人」として情報発信することで、企業やブランドに対する親近感を演出できれば、そこから新しいビジネスチャンスにつながることもあります。
動画で伝えられる情報量も多いことから、ストーリー性を持たせたコンテンツに仕上げ、商品・サービスに興味を持たせるような運用も検討できます。

 

 

TikTokのビジネス活用における成功事例

している企業は数多く存在します。以下、ビジネス活用における成功事例をいくつかご紹介します。

 

ユニークな会社紹介

スタッフの日常を映した動画を公開したり、役職者が踊る様子を見せたりして、自社の紹介動画を発信するケースが該当します。
出演者に親近感を抱かせることで、自社へのイメージアップを試みるとともに、社員インタビューなど真面目な内容も見てもらうことにつながります。

 

商品紹介

季節のメニューを調理のプロセス付きで紹介したり、店舗での仕込みの様子を見せたりすることで、自社商品の紹介を行うケースが該当します。
企業によっては映像ではなく「音」にこだわりをもって編集しているコンテンツもあり、多くの人に見てもらえれば、それだけ来訪者・売上増が期待できます。

 

ライブ機能

いわゆる「テレビショッピング」感覚で、TikTokライブで新商品を紹介する方法により、売上を伸ばした企業もあります。
商品の使用シーンなどもリアルタイムで紹介することにより、わずかな期間で在庫を完売することに成功したケースもあるようです。

 

キャンペーン投稿をつのる

自社商品にちなんだキャンペーンを立ち上げ、新商品のPR等を行うケースが該当します。
何らかのチャレンジやダンスなど、他のユーザーの投稿を集めて新商品を認知するのが主なねらいです。

ただし、キャンペーンを打って終わりではなく、優良な投稿に対して賞金等の報酬を用意しておくなど、投稿を促進する策も同時に講じなければならない点に注意しましょう。

 

 

企業がTikTokを運用する際の注意点

企業が新たにTikTokを運用するにあたっては、やはり「コンテンツの質」にこだわる必要があります。
例えば、良い声のナレーションを使用したり、TVCMを見ているのと変わらないクオリティに仕上げたりすると、かえってユーザーが離れてしまうことが予想されます。

また、出演者側が乗り気でない、またはそのように見えるような状況でコンテンツを作ってしまうと、「社員に無理やり出演させているのではないか」という疑惑を生んでしまいます。
必ず、出演者の許可を取ってからコンテンツを作成しましょう。

その他、トレンドに乗るのは大切ですが、自社のブランディングに悪影響を及ぼすことが予想される場合は、あえて乗らない勇気を持つことも大切です。

 

 

まとめ

企業がTikTokをビジネス活用することで、その高いリーチ力を活かし、フォロワー以外にも自社商品・サービス等の訴求を実現しやすくなります。
特に若年層への訴求に優れ、広告感を抑えた自然な商品紹介や、「中の人」によるリアルな情報発信で親近感の醸成も期待できます。

成功事例としては、キャンペーン立ち上げによる新商品訴求のほか、ユニークな会社紹介によるファン醸成、TikTokライブによる商品紹介などがあげられます。
運用にあたっては、出演者の同意のもと、作り込みすぎないコンテンツ制作を心がけつつ、自社のブランドイメージを損なわない範囲でのトレンド活用を意識しましょう。