2026年03月15日
知財
商標登録をやってみよう! │ 具体的な手順やメリット・リスクを解説
起業・経営に役立つ知識

新しいサービス名や商品のロゴ、店舗名をリリースするにあたり、商標登録を検討する企業は多く見られます。
しかし、費用や手間がかかること、小規模事業者であることなどを理由に、後回しにしてしまうケースも少なくありません。
注意しなければならないのは、商標登録は「早い者勝ち」であるということ。もし、他社にその名称を先に登録されてしまったら、最悪の場合、愛着ある自社のブランド名が使えなくなり、損害賠償を請求されるリスクさえあります。
この記事では、自社のビジネスを伸ばしていくために不可欠な「商標登録」について、登録の具体的な手順やメリット、登録を「しない」ことの本当のリスクについて解説します。
商標登録までの3ステップと相談先
商標登録と聞くと、手続きが複雑なのではないかと身構えてしまうかもしれません。
しかし、必要に応じて専門家に頼れば、次の3ステップを踏むだけで登録を進められます。
ステップ1:事前調査
まずは、自社が登録しようとしている商標と同じ(または似た)商標が、すでに登録されていないかを調査(先行調査)します。
先行調査を行う際は、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」を使用すると、類似する可能性のある商標を検索することができて便利です。
ステップ2:出願書類の作成・提出
先行調査の結果、登録しようとしている商標に問題がないと分かったら、次は「商標登録願」に必要事項を記載し、特許庁へ提出します。
出願の際は、どのような商品・サービスの区分で商標を利用したいのか、将来のビジネス展開を想定しながら考えることが大切です。
ステップ3:審査・登録
特許庁による審査を経て、拒絶理由がなければ、登録査定が届きます。その後、登録料を納付すれば、晴れて商標権が発生します。
ちなみに、特許庁によると、2022年度における商標審査の平均一次審査期間は5.4ヶ月、権利化までの期間は6.9ヶ月となっています。
佐世保市で検討したい相談先
自社で商標登録に関する判断・手続きが難しいと感じたら、専門家を頼るのが確実です。
佐世保市で相談を検討する際の選択肢としては、次のようなものがあげられます。
| 弁理士・特許事務所 | 商標に関するプロフェッショナルであり、スピード感のある対応が必要な場合はおすすめ
※商標侵害等のトラブルに関しては弁護士に相談 |
| INPIT(インピット)
長崎県知財総合支援窓口 |
独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する無料の相談窓口
Webサイトによる情報提供のほか、電話による支援、知財専門家等による支援、フォローアップ支援などが受けられる |
なぜ商標登録が必須? 3つのメリットと「しない」場合の最大リスク
商標登録は、単なる「お守り」ではなく、自社のビジネスを守り育てるための強力な「武器」となるものです。
以下、具体的なメリットと、商標登録をしない場合の最大のリスクについて解説します。
メリット①:自社のブランド名やロゴを法的に独占できる
商標権を取得すると、その名称(ロゴ)を指定した商品・サービスにおいて、全国で自社が独占的に使用できます。
佐世保市から全国展開を目指す際には、強力な法的基盤となるでしょう。
メリット②:他社の模倣品や類似サービスを排除できる
仮に、他社が似たような名称やロゴを使い始めた場合、当然の権利として「商標権の侵害」を理由に使用の差し止め・損害賠償の請求などが可能になります。
ECサイト(Amazonや楽天など)での模倣品販売についても、迅速な停止の実現につながります。
メリット③:ブランドが「会社の資産」になる
登録商標は、会社の「知的資産」であり、更新を続ける限り半永久的に権利を保持できます。
資産であることから、商標を他の企業に売却したり、使用料を得る代わりに商標利用を認めるライセンス使用を行ったりと、複数の収益化の選択肢が生まれます。
商標登録をしない場合の最大のリスク
商標登録をしなかったことによる最大のリスクは、自社がこれまで育ててきたブランド価値が、ある日突然ゼロになってしまう可能性を否定できないことです。
例えば、自社で開発した大人気商品「させぼシーサイドカレー」の商標登録を怠っていた場合、他社が同名を先に商標登録することで、次のような悲劇が生まれます。
- 他社から警告が届き「させぼシーサイドカレー」の名称が一切使えなくなる
- 自社サイトやパッケージ、看板などの表記変更を強いられる
- 過去の売上に対して損害賠償を請求されるおそれがある
こういった問題があることから、売れ行き良好な商品・サービスがある場合は、商標登録をするのが望ましいといえるのです。
商標登録のデメリットと費用感
ここまでお伝えしてきた通り、商標登録には様々なメリットがある反面、デメリットも存在します。
企業には、懸念すべき点を理解した上で、賢明な判断が求められます。
デメリット①:費用がかかる
商標登録にかかる費用は、大きく分けて次の2種類に分かれます。
- 特許庁に支払う費用
- 弁理士など専門家への報酬
商標登録出願時の費用は、1区分であれば12,000円が発生し、区分が増えるごとに金額も高くなります。また、商標登録料は1区分あたり32,900円となっています。
弁理士報酬に関しては、事務所によってバラつきはあるものの、概ね数万円~数十万円が相場と考えてよいでしょう。
デメリット②:審査に時間・手間がかかる
近年、審査にかかる時間は減少傾向にあるものの、出願から登録まで数ヶ月以上の時間がかかるため、商標登録手続きは腰を据えて行う必要があります。
また、自力で出願する場合、書類作成や区分の選定といった作業に時間を取られるため、その点も考慮して判断したいところです。
企業が商標登録すべき「判断基準」
自社で商標登録をすべきかどうか迷った場合は、次の判断基準を参考にしてください
判断基準①:その名称(ブランド)で1年以上ビジネスを続けるか?
自社が登録を検討している名称(ブランド)につき、1年以上使用を継続する予定があるなら、登録を検討してもよいでしょう。
ブランドの価値は、使用期間に比例してプラスされていくため、他社に商標登録されないよう手を打っておいた方が安心です。
判断基準②:全国展開の予定があるか?
ECサイトやSNS経由で全国を商圏にしようと考えている場合、必然的にライバル社の目に留まる機会も多くなります。
その結果、他社が自社商品と似たような名称を使用するリスクも高まるため、万一に備えて商標登録を検討する価値は十分あります。
まとめ
商標登録は、一見すると面倒な「コスト」に思えるかもしれません。しかし、佐世保市から全国へ羽ばたく自社のブランドを守るためには、避けて通れない経営戦略の一つです。
他社に権利を取られてしまえば、これまでの努力が水の泡となってしまいます。登録は早い者勝ちですから、まずは自社のブランドが登録可能か確認し、それから戦略を練ることをおすすめします。





