2022年12月10日

VSIDEイベント

【Start Up 99キックオフイベント】熱い想いがビジネスモデルへ可視化された1日

特集・イベント

 

「今回初めて佐世保のスタートアップのイベントに参加しました。もちろんコンテストにも応募する予定です。始めた事業をどう拡げていこうかと考えているところで、とても勉強になりました。」

(参加者コメント)

 

起業を検討している方、実現したいアイデアがある方、解決したい課題がある方、そんな方たちを対象としたイベント「Start Up 99キックオフイベントTogether〜想いをビジネスモデルへ可視化する〜」(2022年12月3日)を開催しました。

 


 

今回のイベントの参加者には来年3月に開催する佐世保市主催のビジネスコンテスト「Start Up 99」にエントリーしていただく予定です。
今回は2部構成で《第1部》は「Start Up 99」のキックオフ。募集に関する説明と、先輩起業家お二人のお話です。《第2部》では福岡のデザイン会社Gazを講師に迎え、ワークショップを行いました。
 

《第1部》Start Up 99キックオフ

 

最初のお話は、株式会社みんなシステムズの野田祐機さん。オンラインでの登場です。

 

 

野田さんは佐世保市吉井町出身で、現在は東京を拠点にシステム開発の会社を経営しています。IT人材派遣のプラットフォームの運営も行っており、2022年11月には佐世保オフィスを開設。佐世保市でもIT人材を育成し、地方のDX化をその土地のIT人材で進める「ITの地産地消」を目指しています。

30代から40代にかけてさまざまな事業に取り組んできた経験から、起業するうえで次の3つが大切だとお話しされました。

 

  •  眠れないほどのワクワク感

考えるとワクワクして眠れないほどの熱量が大事。ワクワクが伝わると協力者も現れる。

  • 眠れないほどの忙しさ

忙しくなる覚悟が必要。社長にしかできない仕事があるので体力をつけて欲しい。

  •  眠れないほどのプレッシャー

良い意味で鈍感力を持って、気持ちの切り替えができるメンタルを持って欲しい。その繰り返しで会社も強くなる。

 

「実際は眠れますよ(笑)」とフォローしつつも、「眠れないほどの」心構えでぜひ取り組んで欲しいとのことでした。

 

最後に「応募して採用されないかもしれないけど気にしないで欲しい。何もない状態でのスタートであっても未来へのワクワク感だけは大切に。自分は社会を変える最前線にいると思ってみんなを巻き込んでいってください」とエールを送りました。

 

 

次の先輩起業家はpostalk株式会社の川野さん。

 

 

「ポストリモートワーク時代のコミュニケーション革命を起こしたい」という理念のもと、Webで使えるホワイトボードツール「postalk」を開発。「postalk」は新しいコミュニケーションツールとして企業や大学、さらに海外でも利用が広がっているそうです。川野さんは挫折から得られた経験やターニングポイントとなった出来事など、自身の経験をありのままにお話しされました。

 

postalk(https://postalk.app)

 

「ビジネスは好きかどうかを考えることが大切。“良さそう”では上手くいかない。おもしろいと自分自身が思って、喜んでもらう“おもてなし”をしていくこと。相手を喜ばせたり驚かせたりする圧倒的体験を意識することが大切」とのことでした。

 

参加者からの「地方から起業して事業を広げていくことはできるか?」という質問に対しては、2019年から東京から福岡に拠点を移した経緯があることから、地方での起業の魅力を感じているとのこと。

 

「地方なら目立ちやすい。佐世保で基盤を作ってから東京の支社を作るのもありだと思う。(地方の)佐世保でみんなが使っているサービスなら全国に広がりやすい。行政が応援してくれるのは非常に心強いし支援側の力も偉大」と、地方での起業のメリットについて教えていただきました。

 

頷きながら話に聞き入る参加者

 

 

《第2部》ワークショップ

始めに講師である福岡のデザイン会社「gaz」の代表、吉岡泰之さんからいくつかお話がありました。

 

 

gazの取引先が福岡に限らず全国展開していることを紹介しながら「佐世保の中だけでビジネスを考えると規模も頭打ちをしてしまう。アウトバウンドして東京の案件も取っていくことが大切」と話されました。

 

次にお話しされたのが「想い」について。
伸び続けるビジネスには「なぜやるのか」という「想い」がはっきりしているとのこと。第1部で登壇された野田さんの「ワクワク感」や川野さんの「良いことより好きなことをビジネスに」という話にも通じる要素です。

 

そして始まったワークショップでは「なぜ=想い」からいろいろなアイデアを出すワークを行いました。最初に渡されたのがビジネスアイデアシートです。
まず「想い」の枠に課題に感じていることや実現したいことを記入します。次に、自分の人脈や経験技術など「想い」に使えそうな自分の強みを記入。それが終わると課題カードを渡され、自分の「想い」にマッチしそうな課題カードを選び、そして次に誰に届けるかを決めます。
「どの年代に響くかわからない」と相談されている方には「ターゲットを絞っていった方がユニークなものになりますよ」とアドバイス。

 

ワークも終盤戦、次は「想い」と「課題」に紐づく「顧客の本音」を考えます。顧客の本音がわかったところでビジネスアイデアを書き出していきます。

吉岡さんは「求められているものを作ると必然的にマネタイズできる方法がある。収益性はまず考えずにプランを考えてみましょう」など、参加者へ考えるヒントを伝えていました。

 

 

 

 

 

 

最後はグループで発表し合い、評価の高かった1名が代表でプランを発表。川野さん、吉岡さんによる投資家目線でのアドバイスをもらい、ワークショップは終了となりました。

 

ワーク中もにぎやかな話し声や笑い声があがり、熱心に事業について語りあう様子が印象的でした。参加者のそれぞれの想いがこれからどういう風にブラッシュアップされ、コンテスト本番でどのようなビジネスプランとしてプレゼンテーションされるのかとても楽しみです。

 


 

「Start Up 99/西九州させぼ広域都市圏ビジネスプランコンテスト」(https://startup99.net)のエントリーは2022年12月3日(土)~2023年1月20日(金)までとなっています。ぜひ奮ってご応募ください。
最終審査会:2023年3月11日(土)

 

コンテスト概要はこちら
https://startup99.net/overview

 

応募ガイドはこちら

https://startup99.net/application


 

登壇者・講師

野田 祐機氏

株式会社みんなシステムズ 代表取締役

佐世保市吉井町出身。佐世保高専、高専の専攻科で化学を専攻。米軍基地で英語を学び、新卒で世界最大の化学会社BASF日本法人入社。その後、東北の復興に携わり、2016年に起業。
32歳でプログラミングを学び、その経験をもとに2022年11月に佐世保に事務所を開設。佐世保でプログラマーの育成、DXの推進を目指す。

 

川野洋平氏

postalk株式会社 代表取締役社長

1991年生まれ、福岡育ち。2013年に株式会社Technical Rockstarsにジョイン。2016年にバックエンサービス「Milkcocoa」を株式会社ウフルへ売却。2018年からカード型チャットサービスpostalkを運営。WIAD2021、共同オーガナイザー。

 

株式会社gaz

株式会社gazは”想いをデザインで可視化する”をミッションに、Webサイトや新規事業/サービスの立ち上げ、UI/UXデザイン・改善を行う福岡のデザインファーム。
主サービスは『STUDIO制作代行事業』で、唯一のゴールドパートナーとして国産ノーコードツール”STUDIO”を活用したWebサイトの制作。他にも伴走型デザインサービス「beaverin(ビーバリン)」やDX支援事業も行う。