2022年08月10日

はじめての地方起業講座(2022.8.4)

「社会起業」を例にアイデアを形にする方法について学ぶ

特集・イベント

 

「はじめての地方起業講座 アイデアをかたちに!」をVSIDEにて開催しました。(2022.8.4)

 


 

この講座は「実現したい事業構想があるけど、どう進めていけばいいのだろう…」「今スモールスタートしている自身のビジネスを今後大きくしていきたい!」と考える起業家に向けたもので、ビジネスアイデアの深め方からまとめ方、プレゼンテーションまでをサポートするプログラムです。講座を受講される方は仲間づくりをすると同時に、最終的には「スタートアップ99」(ビジネスプランコンテスト)に挑戦する予定です。

 

第1回の講座は「社会起業」を例にアイデアを形にする方法について学ぶ回。九州にこだわった投資を行っている福岡のスタートアップ支援会社「ドーガン・ベータ」の取締役パートナーの渡辺麗斗氏と、ボーダレスアカデミー代表の半澤節氏のお二人を講師として迎え、トークセッションを行いました。

 

 

 

渡辺氏は自身の事業について紹介した後「新しい産業は地方ほど大事。地方でも今は都市部と変わらない活動ができる」と、佐世保で起業することの意義をお話され、参加者は勇気をいただきました。

 

次に、ボーダレスアカデミーの半澤氏は「ボーダレスアカデミーでは、ドーガン・ベータの半澤氏を含め業界のトップランナーが講師やアドバイザーとなって、受講生のビジネスプランの磨き上げに携わっている」とアカデミーで多くの社会起業家を生み出してきた実績を紹介。
この話を受けて、アイデアを形にする方法やコツについて渡辺氏が半澤氏に質問する形で詳しいお話がありました。

 

ボーダレスアカデミーのカリキュラムでは主にワークショップを行い、受講生はソーシャルコンセプト(課題の洗い出し)を作成し、その上でビジネスプランを作成するそうです。メンターのアドバイスを受けたり、グループで一緒に考えたりすることでコンセプトやビジネスプランがブラッシュアップされるとのことでした。

 

お二人のお話をまとめると、「社会起業」に取り組む上で重要な点は以下の3つと考えられます。

 

 

Why me?をはっきりさせる

    • 社会起業を考えるうえでまずは「Why me?」が大切。“なぜ自分がやるのか”をはっきりさせること。はっきりさせることでオリジナルのビジネスになる。
    • 社会起業は大きな課題をテーマにしている。そのせいでふわっとした問題意識で取り組みがち。それではビジネスとして成り立たない。課題の深堀をすることで自分が一番取り組みたいこと、解決したいことが何なのか見えてくる。
    •  望ましい未来を“景色”として具体的に描くことが大切。

 

人と繫がることでブラッシュアップされる

    • これまでにないような全く新しいビジネスを考えるのは難しい。
    • 既存のビジネスのありかたをリデザインするだけでも新しいビジネスになる。
    • 例:関係性がなかった二つのものを組み合わせる
    • アイデアを持っている人と繫がることでブラッシュアップされていく。

 

コミュニティを作る

    • 「まじめだね」「意識高いね」と括られることのない、同じ志の人たちと繫がることが大切。[矢ヶ部1] その人らしいビジネスプランになるか、みんなで考え励ましあえるような「おせっかいな仲間」がいるとよい。
    • アイデアも聞いてもらうことで客観視できる。自分の考えに破綻がないか、ターゲットがあいまいになっていないか見えてくる。つまり、「壁打ちよりラリー」が大事。
    • コンセプトがはっきりしていたら周りに自信をもって話せる。同意してくれる仲間がさらにでき、最後まで走りきれる。

 

 

 

これまでの自身の事業や関わってきた社会起業家の事例などもふんだんに紹介され、ビジネスを始める上で参考になるお話を聞けました。終始熱を込めてお話され、参加者もしきりにメモをし、真剣な眼差しを向けていました。

 

 

最後に、半澤氏は「東京では既にあるものも長崎にはないサービスもある。本当の競合他社を見極めることが大切」渡辺氏は「お客さんが何のために使っているお金や時間をもらっているのか。それを考えると差別化できる。」とビジネスのヒントを教えてもらいました。

 

お二人のお話の後、参加者からはたくさんの質問があり、自身の事業で悩まれていることについて具体的なアドバイスもありました。講演後も参加者同士でにぎやかに交流していました。
次回は12月7日に開催予定。次回からの参加も大歓迎です。あなたのビジネスプランの実現をサポートいたします。ご参加お待ちしています。

 


 

登壇者

渡辺麗斗氏

株式会社ドーガン・ベータ 取締役パートナー

1990年生まれ、静岡市出身。
神戸大学経営学部在学中、「金融の地産地消」を実践するドーガンに参加。2012年のファンド立ち上げから関与し、AUM 42億累計60社超の地域スタートアップへと投資を行ってきた。2019年代表の林と共にMBOを実施。独立系VCとして九州地域でのベンチャーエコシステム実現と多様な雇用創出を目指している。

 

半澤節氏

株式会社ボーダレス・ジャパン ボーダレスアカデミー代表

1990年生まれ、宮城県出身。
貧困農家に雇用を創るオーガニックハーブ事業AMOMAやアパレル事業の経験を経て、シリア難民に安定した仕事と居場所を創るためトルコで起業。帰国後は社会起業家の立ち上がりに伴走する起業家バディを経て採用人事も歴任。2020年からは社会起業家を一人でも多く増やすためボーダレスアカデミー代表として事業を運営。