2024年11月14日
シニア起業
セカンドキャリアとして「シニア起業」はアリ?メリット・デメリット・成功のポイントを解説
起業・経営に役立つ知識
定年の延長、または定年制の廃止など、日本では高齢化社会の進行にともない、国民が「生涯現役」で働く未来が現実味を帯びてきています。
命尽きるまで現在の職場に貢献する選択肢もありますが、仮に定年後再雇用で同じ職場で働き続けた場合、定年前よりも給与は安くなるケースが大半です。
そこで、今までのキャリアを活かし、定年後のセカンドキャリアとして「シニア起業」を考えている方も一定数存在しています。
この記事では、シニア起業のメリット・デメリットや、成功するためのポイントについて解説します。
シニア起業とは
シニア起業とは、主に定年前後の50代以降に起業することをいいます。
50代以降になってから創業する人は「創業者全体の3割弱と」いう、日本政策金融公庫のアンケート結果もあることから、シニアでも十分起業のチャンスはあるものと考えられます。
かつては「机」と「椅子」があれば仕事はできるといわれた時代もありますが、現代ではさながら「パソコン」と「インターネット」があれば、多様なビジネスに従事できるチャンスが得られます。
SNSのように、自ら様々な情報を発信するツールもあるため、シニア世代だからこそ伝えられる情報を発信することで、新たなビジネスチャンスにつなげられる可能性があります。
シニア起業にチャレンジするメリット
シニア世代が起業すると、次のようなメリットが期待できます。
- やりたかったことに挑戦できる
- 豊富な知識と経験が活かせる
- 自分の体力に合わせて働ける
- 自己資金を確保しやすい
- 資金調達のチャンスもある
退職後に起業すると、これまでは職場の都合で難しかったことに挑戦しやすく、会社員時代よりも仕事に対するモチベーションも上がりやすいでしょう。
若い頃に起業する場合に比べて、失敗を含む様々な経験を積んでいる分だけ、オンリーワンの魅力を持つ商品・サービスを考案しやすいはずです。
年齢を重ねると、どうしても体力は落ちてしまうものですが、起業してしまえば自分のペースで仕事を続けられます。
また、子育てが終わったシニアのタイミングで起業できれば、退職金や貯金を事業の自己資金として活用できます。
日本政策金融公庫では、55歳以上の人向けの新規開業支援も行っており、最大で7,200万円の融資が受けられます。
よって、資金面で不安がある方でも、起業するチャンスは十分にあります。
シニア起業にチャレンジするデメリット
シニア世代が起業する場合、先にあげたメリットだけでなく、次のようなデメリットも覚悟しなければなりません。
- 成功も失敗もすべて自分のもの
- 過去の肩書は通用しない
- 詐欺に遭うリスクがある
- 老後の生活に悪影響を及ぼすおそれがある
自分で事業を立ち上げ、試みが成功すれば収益は自分のものですが、失敗した場合も自分で責任を負わなければなりません。
過去に役職に就いていても、起業すれば「自分のことは誰も知らない」環境で働かなければならないため、甘えを捨てられなければ思わぬ落とし穴に落ちてしまうかもしれません。
事業立ち上げ前の勉強段階では、シニア向けセミナーに参加するケースもあると思いますが、情報商材の売り付け・詐欺的な投資の案内などには注意が必要です。
判断を誤れば、せっかく老後のために貯めたお金に手を出さなければならない事態に追い込まれるリスクもあります。
シニア起業で成功するためのポイント
シニア起業に限らず、起業で成功する方法を一言でまとめるのは難しい部分があります。
しかし、少なくとも次にあげる努力を継続することで、成功の可能性を高められるでしょう。
- 「チャンスは1回だけ」を自覚する
- 事業計画は入念に立てる
- 自分の強みにフォーカスして起業する
- 家族に感謝・配慮する
起業後は、自分の仕事の出来や姿勢が、そのまま顧客から評価されます。
本気で取り組めばリピーターになってもらえる可能性が高まりますし、逆にその他大勢と同じレベルのサービスを提供してしまうと、次の依頼はないかもしれません。
事業計画についても同様で、中身がない計画は評価されず、開業資金の融資が受けられない可能性があります。
必要に応じてプロの力も借りながら、融資担当者を説得できる内容に仕上げましょう。
また、自分がチャレンジしたい分野と、自分が得意な分野は、往々にして違うことが多いものです。
起業する際は自分の希望も大切ですが、同時に「何をすれば顧客に貢献できるのか」をしっかり考えた上で企業のジャンルを決めましょう。
その他、起業時の注意点として、起業の意思がいくら強くても、家族に迷惑をかけるような起業はNGです。
家族の協力が必要な場合は、協力してくれた場合は感謝して、協力を取り付けるのが難しい場合は家族との生活に配慮してビジネスを続けることが大切です。
まとめ
シニア起業は、定年後のセカンドキャリアとして魅力的な選択肢の一つです。
しかし、ビジネスを軌道に乗せるためには、起業のメリットとデメリットを理解することが重要です。
シニア世代が起業する場合、これまでの経験や知識を活かせる一方で、成功には入念な事業計画と自己責任が求められます。
協力してくれる家族への感謝を忘れることなく、自分の強みを活かした起業で成功を目指しましょう。