2025年11月22日
漁業
未経験から佐世保で漁師になるには?支援制度やリアルな暮らしも紹介
起業・経営に役立つ知識

脱サラやUターン起業を検討しているものの、具体的にどんな仕事をすれば稼げるのか、イメージが浮かばない方も多いのではないでしょうか。
大海原の中で自分の腕一本で稼ぐ、そんな働き方に興味がある方は、佐世保で「漁師」になるという選択肢もあります。
佐世保市は全国でも五指に入るほどの漁獲量を誇り、豊かな漁場と手厚い支援制度によって、漁師未経験の方でも安心して漁業に従事できる環境を整えています。
この記事では、佐世保で漁師を目指すための具体的な方法や支援制度、漁師のリアルな暮らしなどをご紹介します。
佐世保で漁師という選択肢が現実的な理由
漁師と聞いて、「経験もコネもない自分には無理だ」と思う人は多いかもしれません。
しかし、佐世保市では新規で漁師(漁業者)になりたい人を募集しており、未経験者でもチャレンジしやすい環境が整っています。
佐世保の九十九島は、日本有数の複雑な海岸線を持つ西海国立公園に面しており、イワシ・アジ・サバ・タイなど多種多様な魚介類に恵まれています。また、佐世保市が属する長崎県では、県の補助金を活用した「漁業就業実践研修事業」を実施しています。
佐世保には、漁師への興味を単なる「憧れ」で終わらせない、具体的な受け皿と熱意があります。
だからこそ、佐世保で漁師になるという選択肢が、現実的だといえるのです。
佐世保で漁師になるメリット・デメリット
未経験者が漁師になるためのサポート体制は整っているものの、佐世保市で漁師になることは、決して甘くはありません。
以下のメリット・デメリットを理解した上で、本当に自分に向いているかどうか検討しましょう。
メリット:会社員では得られない3つの魅力
佐世保での漁師生活には、会社員では実現が難しい、3つの大きなメリットがあります。
| 漁獲量に応じて収入が変わる | 固定給プラス歩合など、漁獲量次第で大きな収入を得られることも珍しくない |
| 自然の中で仕事ができる | スーツを着て満員電車に揺られるような、大都会のオフィスワークで生まれるストレスとは無縁 |
| 生涯現役・定年なし | 将来的に個人事業主として働くようになれば、体力の続く限り生涯現役・定年なしで働ける |
デメリット:覚悟すべき3つの現実
大きな魅力がある漁師生活ですが、自然を相手にする仕事のため、次のような現実も覚悟しなければなりません。
| ライフスタイルの変化 | 一本釣、延縄など、漁業者の働き方によって起床時間や労働時間が変わる |
| 命がけの職場環境 | 海難事故や転落事故など、海には多くの危険があるため、時には人の命にかかわる判断を強いられる |
| 地域コミュニティへの適応 | 仕事の先輩や地域で暮らす人々、漁協との連携など、地域コミュニティへの適応が求められる |

漁師の収入モデルと1日のスケジュール
漁師に転職するにあたり、多くの人が気になるのが「お金」と「生活リズム」ではないでしょうか。
操業形態によっても変わってきますが、漁師の収入モデルと1日のスケジュールは、概ね次のようなイメージです。
漁師の収入モデル
漁師の収入は、水揚げから経費を引いて算出されます。
経費とは、例えば船の燃料代や、網の修理代などの経費を引いたものになります。
独立すれば青天井の収入も狙えますが、まずは漁業会社に就職し「固定給プラス歩合」で安定した給料をもらいながら、実務経験を積むのが一般的です。
また、漁業の種類によっても年収が変わってくるため、求人情報を見る際は、自分が目指す年収を実現できるかどうか確認しましょう。
漁師の一日のスケジュール
漁師の生活スタイルは、漁の種類によって大きく異なります。
ここでは、比較的スケジュールが安定している、漁業会社勤務・養殖漁業者の1日を見てみましょう。
| 6時 | 出勤 |
| 7~11時 | 給餌(餌やり) |
| 12時 | 昼休み(昼食) |
| 13~15時 | 船の整備 出荷準備 等 |
| 16時 | 終業 |
| 17~22時 | 帰宅・自由時間 |
| 22時 | 就寝 |
※出典元:長崎県漁業協同組合連合会「漁師の1日のスケジュール及び休日」
上記の通り、勤務時間は朝早くから始まりますが、その分終業も早いのが特徴です。
午後の比較的早い時間から、自分の時間や家族との時間を持てるのが魅力です。
佐世保市の支援制度も活用しよう
漁業未経験者の多くは、漁業への転職にあたり、次のような不安を抱えています。
- どうやって技術を学ぶのか
- 技術を学んでいる間の生活費をどうするのか
佐世保市の『漁業就業実践研修事業』なら、次の4コースの中から、最低限の生活を確保しながら自分に合った支援を受けることができます。
- スマート人材育成コース:将来の独立を目指す方向け
- 地域漁業習得コース:漁業会社への就職を目指す方向け
- 漁業継承コース:漁家の後継者向け
- マルチ人材育成コース:兼業漁師を目指す方向け
まずは相談から!漁師への第一歩を踏み出すための窓口
漁師に興味があるものの、いきなり実務に取り組むのはハードルが高いと感じている方は、佐世保市を含め長崎県内各地にある相談窓口『ながさき漁業伝習所』の利用がおすすめです。
長崎県、県内市町、漁業系統団体、業界団体等が主体となって運営しており、次のようなサポートを行っています。
- 就業相談
- 漁業体験研修
- 実践的な漁業技術の習得研修 など
ながさき漁業伝習所
また、長崎県では漁業就業促進のためのパンフレット『長崎で漁師になるためのガイドブック』も発行しています。
長崎で漁師になるためのガイドブック
まずは、県や市が提供している情報を参考にして、自分にマッチするキャリアを見つけましょう。
まとめ
佐世保で漁師になる道は、決して楽な道のりではありません。
しかし、そこには都会の会社員生活では得られない、確かなやりがいと充実した人生が待っています。
そして何より、あなたの挑戦を地域全体で支えようという、力強いサポート体制があります。
「漁師になりたい」という、あなたの小さな心の灯を絶やさぬよう、佐世保市はしっかりバックアップします。





