2025年07月03日

業務効率化

業務効率を上げる時間管理|具体的な方法についても解説

起業・経営に役立つ知識

 

 

人間が暮らす社会において、基本的に1日は24時間、1年は365日と定められており、時間の流れは誰にとっても平等と考えられています。しかし、同じ時間働いているはずなのに、なぜか他の人に差を付けている人もいれば、残業ばかりの毎日を過ごしている人もいます。

人員が限られる中、時間を有効に使い、業務効率を高めて生産性向上を実現するためには、時間管理が重要なポイントになります。

この記事では、起業間もない時期の経営者向けに、業務効率を上げる時間管理について解説します。

 

 

時間管理とその効果

ビジネスにおける時間管理とは、業務遂行にあたり時間の使い方を計画し、その計画をベースに仕事を進めていくことをいいます。

多くの人にとって分かりやすい例としては、納品物を提出するまでの期限を設け、それまでに作業を終えて納品する「納期」があげられます。

複数の仕事を抱えている場合は、それぞれの仕事の優先順位、作業にかかる時間などをあらかじめ想定して予定を立てると、目先の締切に意識を向けずに仕事を進められます。

適切な形で時間管理ができると、「今日までに終わらせなければ」という不安感から労働時間を増やす必要がなくなり、自分の限られた時間や体力を温存したり、モチベーションを高く保ったりすることにつながります。

 

適切な時間管理によって得られるもの

正しい時間管理を実践できるようになると、次のようなメリットを享受できます。

 

生産性が向上する
  • 限られた時間でやるべきことを処理し、時間にゆとりが生まれると、他の仕事に着手できるようになる
  • 結果的に、同じ時間でこれまでよりも多くのことが実現でき、生産性が向上する
企業が周囲からの信頼を勝ち取れる
  • ゴールから逆算して、その日その日で何をすべきかが明確になるため、納期や約束を守って仕事を進められる
  • 予定通り仕事を終えて実績を積めば、取引先や周囲からの信頼を勝ち取ることにつながる
定着率の向上が見込める
  • 人材採用後も時間管理が職場全体に定着すると、多くの従業員が「この会社は無駄な仕事をさせない」と評価するようになる
  • 「定時で帰るのが当たり前」の環境が構築できると、従業員のプライベート充実、将来に向けた学習時間の捻出が可能になり、定着率の向上が見込める

 

 

時間管理の具体的な方法

時間管理を成功させるためには、そもそもどんな仕事にどれだけの時間がかかっていて、何が最も重要なのかを把握することが大切です。

以下、時間管理の具体的な方法について解説します。

 

タスクのリストアップ

時間管理を行うにあたっては、担当している業務について、一つひとつタスクを細分化・リストアップしていく必要があります。

1日単位、1週間単位、1ヶ月単位でタスクを書き出していき、それぞれのタスクにどのくらいの時間がかかっているのか可視化するイメージです。

タスクの内容や作業時間をまとめたら、次は実際にタスク処理にかかる時間を記録し、書き出した時間と差がないかどうか確認してもらいます。

一つひとつのタスクにつき、この手順を踏むことで、特にどんな作業に時間を割いているのかが分かります。

 

優先順位を決める

タスクがリストアップできたら、次はタスクの優先順位を決めていきます。

タスクの優先順位は、「緊急度」と「重要度」の2つの軸を使い、以下の4つに分類します。

 

①緊急度高/重要度高

②緊急度高/重要性低

③緊急性低/重要度高

④緊急性低/重要度低

 

上記①~④につき、まずは①を片付ける必要があるのは、誰もが理解できるところです。

また、④に関してはそもそも自分がやる必要があるのか、その業務自体が不要かどうか再考することをおすすめします。

問題は②・③の割り振りで、多くの人は緊急度の高さから②を優先しがちですが、こちらは改善の余地があります。

例えば、取引先への挨拶回りに時間がかかっているなら、喫緊の課題でなければWeb会議・電話でやり取りする方向で進めるなど、時間短縮に向けた対策を講じましょう。

また、③に関しては将来の成果につながる部分のため、忙しくてもコツコツ取り組めるような時間を確保しておくとよいでしょう。

一般的に、習慣化に必要な時間は平均で66日とされており、最低でもその期間は10分でも、5分でもよいので取り組みを止めないことが大切です。

 

期限と一緒にスケジュールを組む

タスクの優先順位が固まったら、それぞれのタスク処理期限も書き込む形で、スケジュールを組みましょう。

できるだけ具体的に、例えば「○日の△時に提出」などと記載しておき、資料や連絡先などはタスク別にまとめておくとよいでしょう。

予定していたよりもタスクが多い場合、期限を過ぎてしまうおそれがある場合は、必要に応じてリスケを実施します。

状況によっては、外部委託で解決できないかどうか検討することも大切です。

 

 

まとめ

限られた時間の中で、成果を上げて自社の評価を高めるためには、時間管理が不可欠です。

タスクをリスト化し、「緊急度」と「重要度」で優先順位を決めるだけでも、これまでの取り組みにおける無駄・非効率な部分が見えてくるはずです。

 

 

ビジネスシーンでは、どうしても緊急度の高いタスクに振り回されがちですが、重要度の高いタスクにも一定の時間を割くことが将来につながります。

ただし、自分に無理がかかるようなスケジュールを組むのは本末転倒ですから、状況に応じてリスケや外部委託などの方法も検討しましょう。