2025年05月28日

コミュニケーション

質問力とは|重要性や高める方法・ビジネスシーンでの活かし方を解説

起業・経営に役立つ知識

 

質問力とは、質問を通して相手の考え方や自分が知りたいことを正しく理解しつつ、相手と適切な関係性を構築するスキルのことを指します。

質問力があると、顧客が何を考えているのか、取引先の希望・意向はどのようなものか、踏み込んだ質問によって明らかにすることができます。

質問力が高いほど、相手に自分のことを印象付けたり、部下の説明から現状を正しく把握したりすることが容易になり、よりビジネスを円滑に進められるようになるでしょう。

この記事では、質問力の重要性や高める方法、ビジネスシーンでの活かし方などについて解説します。

 

 

質問力のビジネスにおける重要性とは

ビジネスシーンにおいて、自分がより優位に立てるかどうかは、質問力にかかっているといっても過言ではありません。

新規事業立ち上げ時のリサーチ、顧客からのクレーム対応、取引先へのプラン提案など、様々な場面において質問力は役立つからです。

具体的には、質問力を高めることで、次のような武器が身に付きます。

 

理解力の向上 書類・データをチェックする際、どのような観点から情報収集や整理をすべきか、何をもって「分かった」と判断するのか、自問自答しやすくなる
情報収集能力向上 自分と相手、それぞれの立場や事情を理解した上で、自分が貢献できる分野の情報を相手から得やすくなる
問題解決能力向上 自社または自分の課題につき、自分が何を分かっていないのか、何が理解できれば問題が解決するのか、課題を明確にできる
信頼関係構築 良い質問を相手に投げかけることで、相手に対して自分が興味を持っていることを示すとともに、信頼関係の構築にもつなげられる

 

質問力を高め、これらの武器を身につけることで、コミュニケーション中に相手が新たな気付きを得ることもあります。

そこからやり取りを続ける中で、将来にわたりwin-winの関係を築くことも、質問力があれば十分実現は可能です。

 

 

質問力を高める方法

取引・交渉の現場で役立つ質問力を身に付けるためには、質問内容の種類について理解し、普段のやり取りで意識して活用することが大切です。

質問方法をカテゴライズすると、概ね次のような種類に分類されます。

 

クローズドクエスチョン
  • 回答が「はい」・「いいえ」の2択で答えられるような単純な質問
  • 相手が比較的返答しやすい質問方法のため、まだ十分に信頼関係を築けていない状況での質問に向く
オープンクエスチョン
  • 回答内容を相手に委ねる質問(自由回答を促す)
  • 相手から自分が想定していなかった回答を引き出すのに向いているが、自分の立場によっては逆効果となるため注意
過去質問
  • 過去の行動、経験、現在の考えなどを質問することを「過去質問」といい、主に相手の成功体験を知るために用いる
  • 聞き方によっては尋問のような印象を相手に与えるため、特に失敗したケースについては、相手から話さない限り聞かないこと
未来質問
  • 将来の展望や希望、予定などを実現するために、何が必要なのか質問することを「未来質問」という
  • 明確な答えを持っているとは限らないため、分からない・知らない・考えていないといった回答が来ることを想定しておく
否定質問
  • 相手にとって、ネガティブに感じられる面が強い事柄に対する質問のことをいい、問題点に関する回答を引き出すのに役立つ
  • 十分な信頼関係を築いてから質問しないと、かえって人間関係の悪化につながるおそれがあるため注意
肯定質問
  • 相手にとって、ポジティブな内容につき質問することをいい、相手ができること、得意なこと、希望的観測などに注目して質問する
  • 問することで、相手の意識をポジティブに向けられるため、教育や人材育成の現場で否定質問と併せて用いられる傾向
サトルクエスチョン
  • サトルとは「さりげない」という意味で、仮定形・否定疑問形による質問によって、相手から肯定・否定を引き出すことをいう
  • 相手に自分の仮説をぶつけて訂正させたり、あえて「○○みたいなお悩みはありませんよね?」と否定疑問文での質問を行ったりして、相手と打ち解けつつ本音を探るのに適している

これらの質問方法につき、メリット・デメリットを正しく理解して、使い分けることを意識してみましょう。

 

 

質問力のビジネスシーンでの活かし方

ビジネスシーンにおいて、質問力が活かせる場面としては、次のような状況が想定されます。

 

    • コーチング
    • マネジメント業務
    • コンサルティング

 

コーチングは、それ自体がビジネスにもなるほど、ビジネスにおいて重要なものです。

相手が気付いていない、相手の中にある答えを引き出す上で、質問力は役立つでしょう。

企業・組織のマネジメントに携わる人にとっては、経営陣の意向を正確に把握して指示を出しつつ、部下の考えや意見を尊重する能力が求められます。

頭ごなしに指示・指摘をするのではなく、部下が納得できるような指示を行うためには、部下の承認欲求を質問力によって明らかにしておくとスムーズです。

自分がコンサルティングに関わっている場合は、取引先が抱えている潜在的な悩みを浮き彫りにするために、質問力を磨くことは必須です。

それに加えて、具体的な解決策も提案できる実力があると、なおよいでしょう。

 

 

まとめ

質問力の向上は、個人の能力向上だけにとどまらず、組織の成長やビジネスの発展にも貢献します。

様々な質問方法を織り交ぜ、顧客や取引先、社内の人間が抱えている問題に気付くことができれば、そこから様々な提案が可能になります。

また、高い質問力を持つ人材は、そのスキルを活かして自らビジネスを始めることもできます。

商談の成功率を高めたい、部下との信頼関係を築きたいなどの課題がある人は、質問力向上を意識してコミュニケーションをとることをおすすめします。