2023年07月03日
補助金
第13回小規模事業者持続化補助金の公募について|インボイス特例も解説
起業・経営に役立つ知識、支援情報
2023年6月14日、第13回小規模事業者持続化補助金につき、受付締切分の公募要領が公開されました。
第12回に引き続き、今回もインボイス特例の対象事業者には上乗せ支給があるため、インボイス対応を予定している方は注目したい補助金です。
この記事では、小規模事業者持続化補助金の概要に触れつつ、第13回の重要ポイント・インボイス特例についてご紹介します。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金とは、地域の雇用・産業を支える小規模事業者等の生産性向上・持続的発展を目的として、販路開拓等の取り組みにつき、その経費の一部を補助するものです。
具体的には、働き方改革・従業員の保険適用拡大・賃上げ・インボイス制度導入などの制度変更に対応する使い道が考えられます。
2023年6月時点で、12回にわたり申請を受け付けており、最新の公募は第13回となっています。
また、補助額の要件に関しては、以下の通り定められています。
補助上限 | 【通常枠】 50万円 【賃金引上げ枠・卒業枠・後援者支援枠・創業枠】 200万円 |
補助率 | 2/3 ※(賃金引上げ枠のうち「赤字事業者」は3/4) |
特例 | 補助上限に50万円の上乗せ |
通常枠以外の枠と特例が組み合わされば、最大で250万円の補助を受けられることになります。
資金が限られている小規模事業者にとっては、持続化補助金は有効に活用したい制度と言えるでしょう。
小規模事業者持続化補助金で気になるポイント
実際に補助金の申請を行うにあたり、事業者はどのようなことを押さえる必要があるのでしょうか。
以下、気になるポイントをまとめました。
それぞれの枠組みの対象者
小規模事業者持続化補助金における5つの枠組みにつき、補助対象となる事業の対象者はそれぞれで異なります。
次にご紹介する通常枠の対象者が、その上で賃金引上げ枠・卒業枠・後援者支援枠・創業枠の要件を満たさなければなりません。
【通常枠】
以下条件に該当する「小規模事業者」であること
商業・サービス業 ※(宿泊業・娯楽業は除く) |
常時使用する従業員の数が5人以下 |
宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数が20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数が20人以下 |
【賃金引上げ枠】
補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が、申請時の地域別最低賃金より+30円以上である事業者であること
※すでに達成している場合は、現在支給している事業場内最低賃金より+30円以上を達成する必要がある
【卒業枠】
補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数が、小規模事業者として定義する従業員数を超えている事業者であること
【後援者支援枠】
申請時において、「アトツギ甲子園」のファイナリストおよび準ファイナリストになった事業者であること
※アトツギ甲子園とは、既存の経営資源を活用して展開する新たなビジネスアイデアを競うピッチコンテスト。VSIDEでも出場の支援を行っています
【2022年の支援事例】自分が熱狂できるビジネスに家業の経営資源を引き寄せていく〜アトツギアップデートSASEBO〜
【創業枠】
「特定創業支援等事業」による支援を、公募締切時から起算して過去3年以内に受け、かつ過去3年以内に開業した事業者であること
※特定創業支援等事業とは、創業後間もない人に対して、1ヶ月以上かつ4回以上、経営・財務・人材育成・販路開拓の事業経営に必要な支援を行う事業のこと
インボイス特例の対象者
小規模事業者持続化補助金における、インボイス特例の対象者となるためには、以下の要件を満たしている必要があります。
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また、過去の回で設けられていた「インボイス枠」において採択を受けている事業者は、この特例の申請対象外となります。
公募期間
公募要領 によると、第13回の小規模事業者持続化補助金の締切は、以下の通り定められています。
申請受付締切 | 2023年9月7日 |
事業支援計画書発行の受付締切 ※様式4 |
2023年8月31日(原則) |
事業支援計画書についてですが、古い様式では申請することができないおそれがあるため、最新の様式で手続きする点に注意しましょう。
郵送での受付は、当日の消印有効です。また、電子申請も可能で、その場合は23:59まで受付となっています。
補助対象経費について
小規模事業者持続化補助金の対象となる経費は様々で、必ずしもすべての経費が補助の対象になるとは限りません。
以下、具体的な経費の種類と、対象となる例・ならない例の一例をご紹介します。
経費の種類 | 補助の対象となる例(一例) | 補助の対象とならない例(一例) |
機械装置等費 |
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広報費 |
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ウェブサイト関連費 |
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展示会等出展費
※オンラインによる展示会や商談会等を含む |
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旅費 |
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開発費 |
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資料購入費 |
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雑役務費
※販路開拓に必要な業務、事務の補助のため、臨時的に支払うもの |
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借料 |
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設備処分費 |
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委託外注費 |
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上記のほか、公募要領では経費の種類について詳細を定めているため、事前に一通り目を通しておくことをおすすめします。
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まとめ
小規模事業者持続化補助金を活用することで、販路拡大等にかかった費用のうち、一部を取り戻すことができます。
また、インボイス特例は、適格請求書発行事業者の登録を受けることで適用されるため、比較的難易度が低いのも特徴です。
2023年10月1日から始まるインボイス制度を控え、新たな販路拡大を検討するのであれば、補助金を有効に活用するメリットは大きいはずです。
事業規模に応じて満たせる枠は異なりますから、自分たちが満たせる枠を事前に把握した上で、投資額や投資の方向性を見定めましょう。