2024年10月16日

SDGs

SDGsを活用したマーケティング|無理なく始めるためのポイントを解説

起業・経営に役立つ知識

 

ビジネスに携わる人はもちろん、消費者にとっても重要なキーワードの一つになりつつある「SDGs」は、新たなビジネスモデル構築やマーケティングへの活用が進められています。

特に、マーケティングにおいては、企業と顧客側の共通言語としてSDGsが存在していることから、的確な形で訴求できれば売上増だけでなく自社のブランディングにもつながります。

しかし、一口にSDGsといっても、ゴールは17・ターゲットは169と多岐にわたるため、企業がそのすべてを網羅することは現実的ではありません。

この記事では、SDGsを活用したマーケティングについて、自社の立場で無理なく始めるためのポイントについて解説します。

 

 

SDGsについておさらい

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」となります。

2001年に策定されたミレニアム開発目標「MDGs」の後継として、2015年9月の国連サミットにおいて、加盟国の全会一致で採択された国際目標です。

世界を変えるための17の目標(ゴール)には、例えば次のようなものがあげられます。

 

  • 貧困をなくそう
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 働きがいも経済成長も
  • 海の豊かさを守ろう
  • 緑の豊かさも守ろう など

 

SDGsの担い手は、特定の国や企業・団体ではなく、地球に暮らすすべての国が対象となります。

よって、日本に暮らす日本人も、SDGsに対して意識を向ける必要があると考えられます。

 

SDGsとビジネスの関係

SDGsは「地球上に誰一人取り残されない」世界を2030年までに構築することを目標としており、私たちには、自分たちにできることで、可能な限りその目標達成に向けて動いていくことが求められています。

企業も同様であり、自社の利益のみを追求するのではなく、消費者・従業員・株主といったすべての利害関係者(ステークホルダー)から、事業活動を通して社会貢献を目指す必要があります。

それは同時に、取り組みに優れる企業は、そうでない企業に比べて、より多くの評価を得られることを意味します。

SDGsに対する取り組みを対外的にアピールすることが、結果的に自社の利益につながるため、多くの企業・事業者がSDGsをビジネスチャンスとしてとらえているのです。

 

 

 

 

SDGsへの取り組みをアピールするには?

SDGsへの取り組みを本業とは別に始めるのは、人的リソースや時間的な制約もあり、多くの企業にとって限界があります。

特に、中小企業や個人事業主などの小規模事業者が、SDGsの観点から新しい取り組みを始めることは、場合によってはビジネスモデルにも影響を与えかねない問題になるでしょう。

しかし、事業の内容・企業経営のプロセスの中で、すでにSDGsの目標に重なっているものがあれば、それを対外的にアピールするだけで自社の評価が変わってきます。

そのために重要なのが、SDGsを活用したマーケティングなのです。

 

 

SDGsを活用したマーケティングを無理なく始めるには?

既存の事業をSDGsにからめ、マーケティングに活用するには、どのような視点が必要になるのでしょうか。

以下、企業規模の大小にかかわらず、無理なくSDGsを活用したマーケティングを進めるためのポイントをご紹介します。

 

事業とSDGsとの共通項を探す

SDGsをマーケティングに取り入れる上で最初にやるべきことは、自社の事業とSDGsの17目標との共通項を探すことです。

すべての事業には、その事業を展開するだけの理由があり、何らかの形で社会に貢献しています。

例えば、農業や漁業に従事している人は、全国の家庭の食卓を支えているという自負を持って仕事をしている人が多いはずです。

企業も同様であり、取引先や顧客がいるということは、少なくともその人たちの生活や仕事を支えていることになります。

ビジネスが長く続いているほど、その企業は持続可能性の高いビジネスに取り組んでいるとも解釈でき、SDGsの17目標のいずれかに貢献している可能性があります。

まずは、自社の事業とSDGsの目標を見比べ、共通する部分を見つけてみましょう。

難しいようであれば、自社の事業において「何を変えたらSDGsに貢献していると言えるのか」について議論し、実際に取り組みを進めることが大切です。

 

プロジェクトをスタートさせる

自社の事業とSDGsの目標との共通項がまとまったら、次は具体的なプロジェクトをスタートさせていきます。

プロジェクトといっても、大規模なものではなく、原料を変えたり不要なものの処分方法を変えたりするなど、無理なく続けられるものが理想です。

一見難しそうに見えますが、例えば農業法人なら市場に出せない野菜をフードバンクに寄付することで、目標「飢餓をゼロに」や「緑の豊かさも守ろう」などに貢献できるでしょう。

 

印刷業なら、新しく環境負荷の少ないインク・印刷機を導入することで、目標「安全な水とトイレを世界中に」や「海の豊かさを守ろう」などに貢献していると言えます。

SDGs的目線で解釈すると、目標達成に貢献していると考えられるプロジェクトは、意外と近くに転がっているものです。

一定期間の取り組みで済ませず、継続的に取り組みを続けることで、よりマーケティングに活かしやすくなるでしょう。

 

プロジェクトの取り組みを発信する

一定期間プロジェクトを続けたら、その取り組みを発信していきます。

近年では、インターネット網が整備されたことにより、日本のみならず世界中に情報を発信できるようになりました。

自社サイトやSNSで取り組みを発信するのはもちろん、地域で開催されているイベントに積極的に参加して、取り組みを広く認知してもらうことが大切です。

その後、SDGs関連メディアに取り上げられるチャンスに恵まれれば、自社や自社の事業・取り組みに興味を持つ企業・顧客との関係構築も期待できます。

 

 

まとめ

中小企業がSDGsをマーケティングに活用するポイントは、大きく以下の3点に集約できます。

 

  1. 自社や事業とSDGsの共通項を明確にする
  2. 実行可能な範囲でプロジェクトをスタートする
  3. SDGsの取り組みをあらゆる方法で発信する

 

インターネットが普及した現代においては、草の根レベルの活動がやがて大きな花を咲かせることも、決して珍しいことではありません。

企業規模が小さい場合であっても、地域社会とのつながりや小回りの良さを活かしつつ、地域に根差したSDGsの取り組みを進めていきましょう。