2022年10月11日
創業のヒント
会社を立ち上げる前に知っておきたい、地方起業のメリット・デメリット
起業・経営に役立つ知識
佐世保も含め、地方で会社を立ち上げる「地方起業」は、東京などの大都市圏で起業する場合に比べて、どのような利点やリスクがあるのでしょうか。
この記事では、これから地元で会社を立ち上げようと考えている方向けに、地方起業のメリット・デメリットについてご紹介します。
地方起業のメリット
地方で起業する際のハードルは、リモートワークなど新しい働き方の普及にともない、次第に低くなってきています。
しかし、それ以外にも地方で起業するメリットは数多く存在しています。
発生する費用が少なくなる
都市部と地方を比較した際、地方は総じて物価が安くなる傾向にあります。
オフィスを借りる際も、アルバイトスタッフを雇う際も、地方で起業した方が初期費用を圧縮できます。
仮に、創業資金を1,000万円貯めたとして、10坪くらいののオフィスを借りようと考えたとします。
東京駅周辺で15~25万円かかるオフィスを借りるよりも、佐世保で5万円の家賃で借りられるオフィスを選んだ方が、コストは1/3~1/5で済みます。
余ったお金は、その分違うことに投資できますし、何かあった時のために貯金しておくこともできます。
事業継続年数が長くなればなるほど、賃料等のランニングコストは経営を圧迫しますから、その点において地方起業には大きなメリットがあると言えるでしょう。
※参照サイト:
https://www.chintai-jimusho.com/station/1131335/?tb=0_10
https://www.rals.net/sasebo/rent/tenpo.htm
各種補助金・助成金制度が活用できる
国や地方自治体等の中には、地方で起業する人を対象とした補助金・助成金を設けているところも数多く存在しています。
所定の条件を満たしていれば、資金を支給してくれたり税金を免除してくれたりするので、経営資源や資金が限られている起業家にとっては嬉しいところです。
一つの制度だけでなく、複数の制度を併用することも可能な場合がありますから、資金の少なさを理由に起業をあきらめている場合は、積極的に活用したいところです。
ただし、移住者を対象とする補助金・助成金もありますから、もともと地元で暮らしている人は制度の中身をよく理解してから申し込むようにしましょう。
ジャンルによっては競争が少ない
立ち上げようと考えている事業のジャンルによっては、競争相手が少なくなり、住んでいる地域のニーズを満たす唯一の存在になれるかもしれません。
また、大手が手を出せない小規模な仕事をコツコツ請け負うことで、安定して売上を立てられるメリットもあります。
都市部と自分が起業する地方とを比較しつつ、都市部にあって地方にはないものを提供できれば、他社と顧客を奪い合うような事態を避けることができるでしょう。
むしろ、自分が起業したことで、地域の人たちから感謝されるかもしれません。
地方起業のデメリット
地方で起業する場合、資金調達や費用削減などの観点からメリットがある反面、無視できないデメリットもあります。
以下の点を理解した上で、起業して勝算があるのかどうか考えることが大切です。
どうしても規模は小さくなる
地方は都会と比べて人口が少なく、人口が少ない中では需要が少ない商材もあります。
よって、これからスタートする事業次第では、仮にシェアを独占できても利益が十分に出ないリスクは否定できません。
画期的な商材・サービスを取り扱っていたとしても、それを求める人が少なければ、事業として成立しないでしょう。
地方起業では、居住地域の人々がどんな暮らしをしているのか、入念にリサーチする必要があります。
欲しい人材が集まりにくい
地方で暮らしている人の中から人材を探すのは、たくさんの人が集まる都会に比べると難しくなります。
単純に人口が少ないことも一因ですが、自分が応募者に求めているスキルを持つ人材が見つからなかったり、資格や学歴の観点から問題があったりするケースも考えられます。
状況によっては、多少値は張ってもクラウドソーシングサービスを活用する時期が続くかもしれません。
人材の確保は、事業を成長させる上で非常に重要ですから、起業前の段階で見込みを付けた人物に声をかけておくなどの工夫が必要かもしれません。
トレンドが分かりにくい
地方で同業者が少ない事業を展開しようと考えている場合、最新のトレンドをどう仕入れるのかについても、事業者にとっては懸念事項となります。
現代では幸いにして、Web検索やSNSで情報をチェックできますが、いわゆるセミナーや講習会などで学べることはたくさんあるため、最寄りの都市とどうアクセスするのかも事前に検討しておきましょう。
地域によっては、都市に向かう際の交通手段が自家用車に限られる場合もあり、維持費やガソリンなどのコストも見積もっておく必要があります。
自分の取り組むビジネスに関する最新情報が、事業を展開する地方でどこまで手に入るのか、あらかじめリサーチしておいた方が賢明です。
まとめ
地方起業は、コストを抑える観点から見ると、非常に魅力的な選択肢です。
お金の問題から起業をあきらめていた人も、各種補助金・助成金を使って資金を確保する方法が選べます。
都会に比べて人が集まりにくいなどのデメリットもありますが、その点さえカバーできれば、大きなチャンスに手が届くかもしれません。
メリット・デメリットを理解した上で、無理のない起業計画を立てましょう。