2023年12月04日
AI活用
AIが変える中小企業のビジネス|導入の流れや活用方法についても解説
起業・経営に役立つ知識
AI(Artificial Intelligence)は、日本語で「人工知能」と訳され、コンピュータによって人間の知能・学習能力を再現しようとする技術、またはそのようなソフトウェア等をいいます。
近年飛躍的にコンピュータの性能が向上したことで、機械学習など新たな技術が脚光を浴びるようになり、ビジネスへの応用も進んでいます。
AIによって、これまでのビジネスの形にも変化が生じており、すでにAIを事業に取り入れている企業も少なくありません。
この記事では、そもそもAIとは何なのかについておさらいしつつ、中小企業がAIを活用するための方法や事例について解説します。
AIとは
AIについて、人間の知覚や知性を人工的に再現するというイメージを持っている人は多いかもしれません。
しかし、AIの定義は未だ1つの意味に定まっておらず、様々な分野で議論が行われています。
ただ、本質的な部分をあえて一言でいえば「プログラム」であり、入力された膨大な情報をもとに計算・分析を行い、結果を出力するのがAIの役割です。
SFのように、ロボット・コンピュータが人間と同じ感情を持つわけではなく、あくまでも扱うのは数字や文字列などの情報です。
計算能力は人間よりも圧倒的にスピーディーかつ正確で、情報を分析して判断することは得意です。
その一方で、人間のように感性にもとづいた判断はできず、例外的な対応を柔軟に行うことも苦手です。
中小企業がビジネスにAIを取り入れる場合、AIの長所・短所を正しく理解した上で、どのような形でビジネスに導入できるのかイメージする必要があります。
中小企業でAIを導入する際の流れ
大企業の場合、コスト削減や業務効率化を目的とした導入のメリットが大きい場合が多いことから、導入にも積極的な企業が見られます。
しかし、中小企業がAIを導入する際は、そもそもAI導入が自社にとってメリットのある判断かどうか、社内で十分検討する必要があります。
事前準備
AI導入の前に、社内で準備が必要なのは、以下の4点です。
- AIについて理解を深める
- 自社の課題がAIで解決するのか検討する
- AI導入によるメリットの規模を判断する
- 自社でどうAIを活用すべきか方針を決める
一口にAIといっても、AIの活用方法・応用分野は様々です。
また、AIどころかパソコンの使い方にも慣れていない社員が多い職場では、AIの導入がかえって職場の動きを悪くしてしまうおそれがあります。
そのため、できれば専門家の意見も取り入れつつ、もっとも導入メリットが高いAIを選ぶことが重要になります。
AI導入の方針が決定したら、使用する部署や業務内容など、運用方針を固めましょう。
運用
実際に運用する段階になったら、データ収集および加工のプロセスを決めます。
業務担当者に近い判断ができるところまでAIを育てるためには、収集したデータをもとに訓練を行う必要があります。
トライアンドエラーを継続し、一定の期間を区切ってAIを育てたあと、出力プログラムまたは装置を準備して試験的に運用を開始します。
問題が生じない段階まで改善が終わったら、少しずつ運用の範囲を広げていきます。
中小企業におけるAIの活用方法
業種・職種によって詳細は異なりますが、中小企業が手掛けるビジネスにおいても、AIは数多くの分野で活用できます。
以下、主な活用方法をいくつかご紹介します。
作業負担の軽減
多くの企業にとって、直接利益にはつながらない事務作業にかける時間は、極力短くしたいというのが本音ではないでしょうか。
バックオフィス業務にAIを導入すると、これまで手作業で行ってきたことを自動化できるようになるため、作業負担の軽減につながります。
例えば、顧客向けの定型的なメール作成・データ入力といったルーティンワークは、AIによる自動化が便利です。
少数精鋭で動いている現場ほど、事務作業に時間を取られないメリットは大きいはずです。
パーソナライズ
パーソナライズとは、顧客の属性や行動履歴などのデータをもとに、それぞれの顧客にとって適切な商品・サービス等を提供する手法をいいます。
AIの高い情報収集・分析能力によって、それぞれの顧客にマッチする商品・サービスをECサイト等で紹介できれば、売上増などのメリットが見込めます。
品質管理
工場などの検査において、ベテラン職員の目視は非常に重宝されてきましたが、AIを導入することによって更なる業務改善が実現します。
ヒューマンエラーを減らすのに貢献するのはもちろん、目視で判別が難しいケースにおいても一貫した判断が可能になります。
その他の活用方法
その他、AIが活用できる分野としては、製造業において将来の売上・受注数・客数・在庫量などを算出する「需要予測」や、IoTにより取得したセンサーデータをもとに機械異常を検知する「予防保全」などの分野が考えられます。
企業のニーズや応用したい分野によっては、よりユニークな活用方法も考えられるでしょう。
まとめ
実際にAIを導入している中小企業の活用事例としては、パーソナライズされた広告提供やサイバー攻撃対策、多言語接客が可能なチャットボットなどがあげられます。
英語教育や顔認証などにもAIは活用されており、自社のビジネスと結びつけるビジョンさえ見えれば、応用の幅は広がるはずです。
ただし、AIの導入だけでは、社内の問題を包括的に解決することはできません。
導入の目的や運用方針を決めた上で、AIを自社の役に立つよう育てて運用することが、AIの有効活用につながります。