2023年10月21日
書評
【書評】実践顧客起点マーケティング〜たった一人の分析から事業は成長する〜
起業・経営に役立つ知識
出版社:翔泳社 著者:西口 一希 |
『たった一人の分析から事業は成長する実践顧客起点マーケティング』って?
論理思考や戦略思考に加えて、人間理解が特段必要なものがマーケティングです。
西口 一希氏の 『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』は、生活者や消費者、ユーザー、顧客といった顧客分析からマーケティングを実践することができる本です。
著者は、世界一のマーケティング企業P&Gや、ロート製薬、ロクシタンを経て、スマートニュースで執行役員を務めている方です。
要約
(出典:https://markezine.jp/article/detail/30846)
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上記はBtoBにもBtoCにも応用できる、汎用性のある考え方です。
得られる学び
このビジネス書を通して、次の学びを得ることができました。
フレームワークの「腹落ち感」の手に入れ方
「ビジネス書の内容を、仕事に活用する」
これ、何だかんだ、まあまあハードル高いと感じませんか?
少なくとも、私はすぐには仕事に活用できないんですよね。どうしても、「腹落ち感」が無いと、仕事に活用するまでに至りません。よって、今回は「腹落ち感」についての学びを記します。
ずばり…「身近なものを当てはめる」。これが手っ取り早いでしょう。
例えば、今回の「9セグマップ」について。
(出典:https://markezine.jp/article/detail/30846)
当てはめてみるのは、僕の行きつけの床屋さん「YOSHIZAWA Inc. PREMIUM」です。
簡単に概要を示すと、こんな感じです。
- 場所:横浜ランドマークタワー50F
- カット価格:¥5,940
- 雰囲気:静かで、店員さんとの会話も少なめ
この床屋さんの顧客を「9セグマップ」で分類してみます。
- 積極 ロイヤル顧客
ずばり、今の僕のことです。
僕は日吉という、横浜から電車で20分ほど離れたところに住んでいますが、それでもここに行きたくなります。僕はコミュ障なので店員さんとの会話がそんなに得意ではない。また、毛量が多いので丁寧に時間をかけて気持ち良く刈って切ってほしい。静寂な空間で、ウトウトしながら、ゴワゴワした髪が刈り取られていく感覚を購入しているわけです。
…といった「この床屋さんの雰囲気やサービスじゃないと満足できない。だから何度も通っている」という顧客層ですね。 - 消極 ロイヤル顧客
この層も、「何回も通っている」顧客です。しかし、単に「ここが今の職場、もしくは家から近いから」という理由だけで通っている層でもあります。
こうした層は、職場が変わったり、家にもっと近い床屋さんができたりしたら、競合に流れてしまいます。 - 積極 一般顧客
「この床屋さんのサービスには満足しているけど、もう少し安いところ無いかしら」と、同時並行で他の床屋さんも模索中の層のイメージですかね。「少し高いけど、やっぱりこの床屋さんがいいな」と思わせる決め手を提供できると、積極ロイヤル顧客に進化します。 - 消極 一般顧客
「最初は来ていたけど、徐々に通う頻度が低くなってきた」…そんな層のイメージでしょう。離反予備軍ですね。ある程度認知度が高いサービスだと、この層が一番多いのでは? - 積極 離反顧客
私が地元に帰省すると、「積極離反顧客」に変化を遂げます。要は、「行きたくても、何らかの理由で行けない層」です。 - 消極 離反顧客
他の床屋さんにスイッチしちゃった層です。 - 積極 認知・未購買顧客
例えば、私の友人Aさんにも、この床屋さんをおすすめしたのですが…
Aさんは東京に住んでるんですね。Aさんは「いつかその床屋行ってみたい!」と思っているわけですが、中々横浜に足を運ぶ機会がない…そんな顧客層です。 - 消極 認知・未購買顧客
同じく、友人Bさんにも紹介したのですが…
「えー、美容院の方がいいんだけど」と言われてしまいました…そんな顧客層です。 - 未認知顧客
この床屋さんのことを全く知らない顧客層です。
このブログを読んだ方のほとんどは、ほんの数秒前はこの層に該当していたでしょう。購入までのハードルが最も高い層です。
いかがでしたでしょうか?「9セグマップ」の理解に、少しでもお役に立てていますと幸いです。
こんな風に、自分が普段使っているサービスや、目にしている商品をフレームワークに当てはめてみると、フレームワークの理解がグッと進みます。それに、人から聞かれたときも、すぐ説明できるようになります。
常に、見聞きするものにアンテナを張っておきたいですね。