2023年11月22日

Eコマース

どこがいい?無料ECサイトのメリット・デメリット

起業・経営に役立つ知識

 

自社の商品を販売する際、ECサイトを活用する人も多いと思います。
最近では無料で開設できるECサイトも増え、個人でも気軽に販売ができるようになりました。
この記事では、無料ECサイトの利用を検討している方に向け、無料ECサイトのメリット・デメリットについて解説し、おすすめの無料ECサイトを4つ厳選して紹介いたします。

 


 

無料ECサイトサービスのメリット

無料ECサイトのメリットには次のようなものがあります。

 

  • コストがかからない
  • 管理が簡単
  • すぐに始められる

 

コストがかからない

初期投資をせずに始められます。ほとんどの無料ECサイトでは登録料が無料に設定されています。

有料サービスを使ったり自社でECサイトを構築するとなると時間と労力がかかります。一般的に制作会社にパッケージで依頼をすると100万以上かかることもあります。一方、無料ECサイトはすでに構築されたシステムを利用して販売するので高額な費用がかかりません。

 

管理が簡単

システムはECサイトの運営側が管理しているため、自分たちは商品管理に集中できます。システムのアップデートなども自動でやってくれますし、セキュリティも徹底しているので安心して利用できます。

 

すぐに始められる

開設自体は1時間もあればできます。デザインはテンプレートで準備されているので、パーツごとに好みのものを組み合わせ、ロゴを入れるなどしてサイトを作成できます。サイト設計のための専門的な知識は特に必要なく、初めてECサイトを作る人にも使いやすいようなデザインになっており、不明点は相談できます。

 

 

無料ECサイトのデメリット

無料で開設でき、メリットも多い無料ECサイトですが、デメリットもあります。

 

  • 機能に限界がある
  • 手数料がかかる
  • 集客が難しい

 

 

機能に限界がある

デザインやアクセス解析などに利用制限があります。

デザインはテンプレートなどから好みのものに変更しながら自社らしく組み立てられますが、サイトのシステム自体は変更できません。あくまでもECサイトの運営側のシステムに則って表面上でいろいろ変える事しかできません。

 

ECサイト内でのアクセス解析など細かいデータ分析は有料会員にならないとわからないことがあります。

また、スマートフォンに対応していないECサイトだと、スマートフォンでもパソコン版の表示になるので利便性があまり良くありません。

 

手数料がかかる

初期設定費用が無料である一方で、売上に応じて決済手数料、販売手数料、事務手数料、サービス利用料などがかかります。

販売規模が大きくなるにつれ負担が大きくなるので、事業拡大する場合は手数料を低く設定している有料サービスに移行したり、自社であらためてECサイトを構築したほうがコスト削減になります。

 

集客が難しい

ヤフーショッピングやメルカリショップなどモール型のECサイトは訪問者も多いのですが、競合が多いのが難点です。検索で自社の商品がヒットしたとしても他者との差別化を測らないとページに飛んでくれず、購入にいたらないケースが考えられます。

 

また、ASP型と呼ばれる個別のECショップを構築できるBASEやSTORESといったECサイトなどで開設した場合は、サイトに来てもらうために、施策が必要です。検索結果にヒットするよう対策(SEO)をしたり、SNSで発信したりなど、自分たちで導線を作らなくてはいけません。

 

 

どこがよい?無料サイトのおすすめポイント

ここでは代表的なECサイトを4つ紹介します。それぞれの特徴を理解して、自分にあったECサイトを選びましょう。

 

 

Yahoo!ショッピング

国内でも利用者数が2000万人以上いるモール型のECサイトです。Yahoo! JAPANトップページ、検索結果ページ、各サービスページなどからショッピングサイトへ誘導しているため、リーチ力が非常に高いのが特徴です。大きなプラットフォームなので、新規のお客さんに自分の商品を見つけてもらえる確率が高いと言えます。その一方で、競合も多いので差別化が難しく、目立たせるための戦略を立てる必要があります。

 

 

 

 

費用は次のようなシステムです。

 

開設費用 無料
月額利用料 無料
売上ロイヤルティ 無料
ストアポイント原資負担 1%~15%
キャンペーン原資負担 1.5%
アフィリエイトパートナー報酬 1%~50%
アフィリエイト手数料 アフィリエイトパートナー報酬の30%
決済手数料 3%~4.48%(会社による)
例:PayPayの場合3%

 

10万円の商品がアフィリエイト(1%設定)で売れた場合

ストアポイント原資負担(1%に設定):1,000円
キャンペーン原資負担(1.5%固定):1,500円
アフィリエイトパートナー報酬(1%に設定):1,000円
アフィリエイト手数料:300円
PayPay決済(3%):3,000円
 ↓
運用費合計= 6,800円
受取金額= 100,000 −  6,800= 93,200円

 

 

 

メルカリショップス

毎月2,200万人に利用されているモール型のECサイトです。ショップページの作り込みがなく、商品のみを出品するので簡単に販売を始められます。
フリマアプリのメルカリでの販売ができるので集客力も高いのが特徴です。20万店が出品をしています。メルカリショップスも競合も多いので差別化が難しく、目立たせるための戦略を立てる必要があります。

 

 

 

 

開設費用 無料
月額利用料 無料
販売手数料 送料を含めた商品価格全体の10%
決済手数料 無料
振込手数料 200円

 

10万円の商品が売れた場合
販売手数料:100,000円×10%=10,000円
振込手数料:200円

運用費合計=10,200円
受取金額=100,000 −  10,200=89,800円

 

 

 

 

STORES

ASPカート型のECサービスの一つです。ASPとはショッピングカート機能や決済などECサイトに必要な機能を備えているアプリケーションサービスで、自社のECサイトとして利用できます。

STORESの大きな特徴としてはインスタグラムとの連携ができることです。インスタグラムの投稿で商品にタグづけするとSTOREに遷移できるようになっています。
また有料プランも準備されており、月額使用料2,980円で、決済手数料は3.6%で業界最低水準を誇っています。

アイテム登録数は無制限ですが、商品につき添付できる画像や動画には制限がついています。無料版はアクセス解析ができないため、個別にGoogle Analyticsと連携させる必要があります。

 

 

 

 

開設費用 無料
月額利用料 無料
決済手数料 5%

 

10万円の商品が売れた場合
販売手数料:100,000円×5%=5,000円

運用費=5,000円
受取金額=100,000 −  5,000=95,000円

 

 

 

 

BASE

STORESと同じくASPカート型のECサービスです。登録者は累計1,100万人(2023年6月)で無料のスタンダードプランと有料のグロースプランがあります。特徴としては無料プランでも有料プランと変わらない機能が備わっている点です。インスタグラムや会計ソフトなどの外部連携、ドメインの変更、HTML編集などが可能です。

有料プランの場合は決済手数料が2.9%、月額5,980円でサービス利用料が無料になります。

 

 

 

 

開設費用 無料
月額利用料 無料
販売手数料 送料を含めた商品価格全体の10%
決済手数料 3.6%+40円、AmazonPayとPayPalの場合は4.6%+40円
サービス利用料 3%

 

【費用例】
同じ金額でも注文数によって手数料が変化します。・1万円の商品が10点売れた場合
決済手数料:(10,000×3.6%+40)×10=4,000円
サービス利用料:100,000×3%=3,000円

運用費:7,000円
受取金額:100,000 − 7,000=93,000円・5万円の商品が二つ売れた場合
決済手数料:(50,000×3.6%+40)×2=3,680円
サービス料:50,000×3%×2=3,000円

運用費:6,680
受取金額:100,000 − 6,680=93,320円

 

 

以上の4つのECサイトをまとめると次のようになります。

 

ECサイト 特徴 手数料 10万円売上の際の受取金額例
Yahoo!ショッピング 日本屈指のショッピングモールサイト。
サイトへのリーチ率が高い。
その反面、競合が多く埋もれる恐れもある。
ストアポイント原資負担:1%~15%、キャンペーン原資負担:1.5%、アフィリエイトパートナー報酬:1%~50%、アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナー報酬の30%決済手数料:3%~4.48% 93,200円
※ストアポイント原資負担1%、アフィリエイト1%に設定した場合
メルカリショップ モール型のECサイト。メルカリでの販売ができるので集客力がある。商品のみの出品なのでショップぺージの作り込みはできない。 10%
振込手数料200円
89,800円
STORES ASPカート型のECサイト。
複雑な手数料設定がない。有料プランは3.6%で最安値。インスタとの連携が可能。
5% 95,000円
BASE ASPカート型のECサイト。
機能が充実。インスタとの連携も可能。同額でも販売点数によって手数料が異なる。
決済手数料が3.6%+40円、AmazonPayとPayPalの場合は4.6%+40円
サービス使用料3%
93,000円
1万円×10点販売、
手数料3.6%の場合

まとめ

無料ECサイトは、初期費用がかからないのでスモールスタートしたい個人の方や小規模事業者には向いているビジネスツールです。
ただ、販売規模が大きくなると手数料の負担が大きくなる恐れがあるので計画をしたうえで有料プランや自社サイトの構築を進めると良いでしょう。
無料ECサイトは始めるのもやめるのも大きなリスクはありません。自分のビジネスツールとしてぜひ活用してみてください。