2024年05月18日

VRのビジネス活用

ビジネスにおけるVR活用事例 │ 仮想空間の可能性

起業・経営に役立つ知識

 

 

仮想空間をさながら現実のように体感できるVR(Virtual Reality)は、映画・ゲームといったエンターテイメント分野で注目されてきた技術の一つですが、近年ではビジネスへの活用も様々な分野で進められています。
具体的には、不動産・旅行・医療といった分野での技術導入が進み、業務効率化やサービス向上の観点からも活用が期待されています。

VRを導入することで、自社のビジネスにも何らかの良い変化をもたらせる可能性があります。
この記事では、VRの概要やビジネスに活用するメリット、事例について解説します。

 

 

そもそもVRとは何なのか

VRを日本語に訳すと「仮想現実」または「人工現実感」となり、VRを利用した人は限りなく“実体験に近い疑似体験”が可能になります。
多くの場合、ヘッドマウントディスプレイと呼ばれる機器を顔に装着した後、立体的な映像が出力されると、ユーザーは高い没入感(自分が仮想空間の中に入り込んだような感覚)を覚えます。

 

VRでできることは多岐にわたる

VRでは、仮想空間で現実と同じように行動できるため、ユーザーは次のような体験ができます。

 

体験  詳細
立体映像が見られる 現実のような立体的な映像が見え、没入感・臨場感を得られる
仮想空間内の物体に触れられる コントローラーを使用することで、仮想空間内の物体を触ったり、動かしたりできる
仮想空間を移動できる(現実と連動) コントローラーなどを用いて、自分の動きに合わせて自発的に仮想空間を移動できる
顔の向きに合わせて映像が変わる 上下左右の顔の動きに合わせて、映像が変化する
音の方向を感じられる 仮想空間上の位置や顔の向きによって、音の聞こえ方が変わる

 

これらの体験は、仮想空間の中でユーザーが新しい経験を積むことにつながるため、様々な形での活用が期待されています。

 

 

 

VRをビジネスに活用するメリット

VRをビジネスに活用できると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。
以下、主なものをいくつかご紹介します。

 

研修やコミュニケーションが円滑に進む

VRと聞いて、現実離れした空間をイメージする人は多いかもしれません。
しかし、例えば現場の状況をVRで再現するという使い方もできます。

従業員向けの研修を行う際、業務によっては研修担当をつけたり、所定の場所まで移動したりする必要があります。
VRを活用して、休憩室・会議室などで現場を想定した研修ができるようになれば、早期のカリキュラム修了が可能になるでしょう。

また、遠方の取引先とやり取りを行う際にVRを使用すると、文章・電話だけではなかなか難しいイメージの共有も比較的簡単にできます。
建設業など、立体的なイメージを共有しながら業務を進めなければならない業種においては、非常に役に立つツールの一つになるでしょう。

 

顧客体験の向上

従業員・取引先だけでなく、顧客にとってもVRの導入は魅力的です。
インターネットの普及にともないネットショッピングを利用する人は増えてきていますが、VRを使えば仮想空間の中で「バーチャルショッピング」ができるようになります。

例えば、店舗に陳列された商品を見て、疑似的に試着することもできるため、顧客体験の向上につながります。
実店舗から遠いところで暮らしているお客様にも、自分たちの商品を見てもらいやすくなるでしょう。
ビジネスにおいて、様々な業界でVRを活用する例が増えてきています。
以下、VR活用事例について、主なものをいくつかご紹介します。

 

内見・工場見学

VRをビジネスで活用するメリットの一つとして、特定の場所への移動を省ける点があげられます。
例えば不動産業界では、部屋の内見には予約等が必要だったり、現在も入居者が住んでいる部屋は内見自体が難しかったりするケースは少なくありませんが、VRを使えば内見感覚で部屋の状況を確認することができます。

工場見学を実施している企業においては、スタッフ確保や工場のスケジュール等を勘案して、所定の日程でしか見学ができない場合があります。
この点に関しても、VRで製造工程や工場内の様子が見られるようにすることで、より多くの人に工場見学の機会を提供できるようになります。

 

会議・ミーティング

ですが、会議自体をやめてしまうのは難しいことも多いでしょう。
とはいえ、取引先やプロジェクト関係者が全国各地に点在している場合、移動コストも決して馬鹿になりません。

この点について、VRを活用して会議・ミーティングを実施できれば、仮想空間内でメンバーが直接会う形で会議をすることができます。
アバターを通してやり取りすることで、顔・手などを動かしたリアルなコミュニケーションを再現することも可能です。

 

安全教育・トレーニング

に発展するような職種では、安全教育や研修の実施が重要です。
一方で、教育対象のスタッフが一ヶ所に集まる負担が発生するなどの問題もあり、個々のスタッフの体験の質に差が生じてしまうおそれもあります。

VR導入を実現すると、このような安全教育やトレーニングの質を均一化することができます。
また、場所を問わずプログラムを消化できるようになるため、大幅な業務効率化につながります。

 

 

 

まとめ

VRを使うと、単純に仮想現実の中を見るだけでなく、実際に仮想空間上の物体に触れたり移動したりすることができます。
こういった機能を応用することで、コミュニケーションや顧客体験の向上につなげられれば、自社のビジネスも大きく発展する可能性があります。

実際にVRを活用している企業も増えてきており、物件の内見やミーティング・安全教育など様々な分野で活用されています。
マンパワーを割かなければならない業務がある、担当者によって研修の質が変化するなどの課題を抱えている経営者・企業担当者の方は、VRの導入を検討してみてはいかがでしょうか。