VSIDEを活用して開業された方のインタビューシリーズです。今回は梅田町にリハビリ特化型デイサービス「グッドリハブ」を開業した田方怜（たがたれん）さんを紹介します。

理学療法士として病院勤務をしていた田方さんは「高齢者の方も安心して運動ができるジムのようなデイサービスを作りたい」と一念発起し開業。VSIDEを活用した起業までのストーリーとこれからについて語っていただきました。

理学療法士として運動の大切さを感じる

ご自身と事業について教えてください。

21歳で専門学校を卒業したあと、市内の病院で理学療法士として4年間働きました。その後2023年7月に退職し、同月デイサービス事業の「グッドリハブ」を設立しました。
リハビリ特化型のデイサービスで運動をメインにした施設です。利用者様には1時間半から2時間、マシンなどを使いながら運動をしていただいています。運動をメインにしているので比較的お元気な、介護認定でいうと要支援1，2あたりの方が主な利用者です。また退院後のリハビリなどにも活用していただいています。

年を重ねても家のことや身の回りのことを、できる限り自分でしたい方がほとんどです。そういった方の自立生活の維持のために、運動の機会を提供し機能低下を予防しています。

起業の経緯について教えてください。

病院で働いていた経験や専門学校で学んだことから、高齢者が運動することの大切さをひしひしと感じていました。
しかしながら、高齢者が運動できる施設やデイサービスが佐世保にはあまりない現状でした。
ほかのデイサービスでは黙って座っているだけだったり、ただ家から出すためだけに通わせているようなケースが多いと感じていました。多くの一般的なデイサービスでは、レクリエーションが中心で、例えば手工芸や簡単なゲームなどが主な活動となっています。そのため、本格的な運動を提供する場所は非常に限られています。高齢者は運動をしないと体が衰えていく一方です。このような状況を少しでも改善し高齢者の方が安心して運動ができる環境を整えたいと思い、送迎付きの高齢者向けジムの開設を決めました。

それと、自分が通っていたジムのオーナーの存在も大きかったです。ジムのオーナーもわたしと同じように若者だけではなく、シニアのジムを作りたいと考えていたこともあり、今回開業するにあたって一緒に動いてくださいました。

VSIDEと二人三脚で開業

VSIDEはどのようにして知りましたか？

ジムのオーナーがVSIDEを利用されており、山浦さんともつながりがあったので、紹介していただきました。2023年の2月頃からジムのオーナーと話し始め、VSIDEに最初に行ったのは4月の頭くらいだったと思います。

VSIDEに相談する前の事業計画はどこまで進んでいましたか？

正直、数字などはまったくわからない状態でしたので「運動に特化したジムのようなデイサービスを作りたい」という構想だけでした。
スケジュールなどもまったく決まっていない状態でした。導入するマシーンが決まっていたくらいですね。

会社の設立が2023年7月とのことですがスムーズに進みましたか？

店舗探しやスタッフに関してはスムーズに決まりました。
店舗も数か所周ったのですが、今の店舗が駐車スペースもあり、広さも十分でしたのですぐに決めました。

スタッフに関しても資格を持った人たちを見つけないといけないんですが、ありがたいことにデイサービスを運営するために必要な人員基準はすんなりクリアできたんです。常勤しないといけないスタッフは技能訓練士であるわたしと、生活相談員兼ケアマネージャーの母がいました。非常勤スタッフとして看護師が1人必要でしたが、こちらもスムーズに決まりました。

ただ、融資がなかなか通らず、難航しました。マシーン導入のための設備費が高いため、融資額が初めての事業にしては高かったんです。はっきりとした理由は言われなかったのですが、金額の大きさだけでなく、年齢が若く実績がないことから、すぐには審査が通りませんでした。7月下旬から10月いっぱいの期間に10回以上は銀行に行ったと思います。山浦さんが毎回同行してくださったのですが、自分一人ではきっとうまく話ができず、融資もおりなかったと思います。

融資と並行して6月に補助金申請（長崎県創業支援金）をしたのですが、これも3か月近くかかり、合否が出たのは8月末でした。

補助金が降りてからマシンの導入、内装工事などバタバタとはじまり、オープンの準備ができたのが10月でした。

開業後の壁

営業についてもVSIDEからアドバイスはありましたか？

営業に関してはデイサービスを運営している先輩方やジムのオーナーなどに相談しながらいろいろ決めていきました。オープンした10月は包括支援センターや病院などへ、挨拶回りをしたり、チラシのポスティングをして、11月から受け入れをスタートしました。

開業後8か月経ちましたが運営はどうですか？

オープンから4,5か月は思うように利用者さんが増えず、かなり悩みました。あまりにも計画を甘く見積りすぎてしまったところがあったのです。周りの人から「ぜひ利用したい」「ほかにはないサービスだ」とよい反応しか聞いていなかったのが裏目に出てしまいました。

利用者は増えない、けれど人件費など経費はどんどんかかる。従業員も辞めてしまい「もう止めようか」とさえ考えたこともありました。体調も崩してしまい、夜も眠れず、朝は憂鬱な気持ちで出勤していましたね。

そのピンチをどう乗り越えられたのですか？

その都度山浦さんに相談させてもらい、追加融資の相談にも行きました。

時間があったのでとにかく外回りに走りましたね。広告をフリーペーパーに載せたりチラシも藤原、日野、相浦、山澄など広範囲で1枚1枚手でポスティングをしました。1万枚以上配ったと思います。

そうこうしているうちに4月から一気に利用者が増えていったんです。

結構しつこく営業したのもあったのかもしれませんが（笑）、包括支援センターからの紹介で来られる方が増えました。利用者様の「よかった」という声がケアマネージャーさんを経由して包括支援センターまで届いたようです。

また、利用者様は比較的元気な方が多く地域活動をされています。そういった中で広めてくださっているのかなと。お友達のつながりで来てくださる方も結構いらっしゃいました。ほかにも介護認定がない状態で体験に来られてから認定をもらって通い始める方もいらっしゃいます。

広告を見て自費で来られる方もいらっしゃって、その方がご家族に紹介して利用を始めるケースもあります。こうやって少しずつ口コミが広がって利用者がどんどん増えていきました。

これからの目標はありますか？

11月で1年になるので、それまでに経営を安定させるのが目標です。そして早いうちに2店舗目、3店舗目と展開できたらと思っています。

デイサービス業界は非常に存続が厳しく、1，2年で閉鎖するところも多いのが現状です。資金力のある病院関係者しかできないと言われている業界ですが、当社はほかのデイサービスにはない強みを持っています。
利用者様との信頼関係を築きながら、感謝の気持ちを忘れず、これからも頑張っていきたいです。

VSIDEを利用して

実際にVSIDEを利用してどのような感想を持ちましたか？

山浦さんに相談していなかったら開業はさらに遅くなっていたと思います。融資の相談も、わたし1人なら話すら聞いてくれなかったと思うし、山浦さんが横にいるから話を聞いてくれたのではないかと思っています。数字に関しては本当に素人でしたし、事業計画書の作成も山浦さんにおまかせできたので本当に助かりました。

VSIDEにはどのようなメリットがあると思いますか？

メリットしかありません。自分1人でやるとなると相当な覚悟や知識がないとできないと思うので、助けてもらえることは助けてもらったほうがよいと思います。そのほうが近道ですし、自分のためになるのではないでしょうか。

起業を今考えている方に一言お願いします。

遠慮したり恥ずかしがったりせずに、頼れるところは頼っていいと思います。そして計画は専門家を入れて、しっかり一緒に考えてもらうとよい。1人では無理だと思います。
ただ、計算しすぎて動けなくなるのもよくないかもしれません。早め早めに手を打たないとどんどん新しい競合も生まれるので先手必勝ですね。

それと、動いたもん勝ちなので、足を使って、営業も何回も行き、嫌われてもいいくらいの覚悟を持って動くとよいと思います。

貴重なお話をありがとうございました。

グッドリハブ

〒857-0017　佐世保市梅田町6‐3（ハチヤ様敷地内）
HP：https://good-rehab.com
電話：0956‐37‐6796
営業時間：8:30～17:30
定休日：土日

【VSIDEの支援内容】

• 事業計画書作成
• 法人設立登記
• 創業融資
• 補助金申請（長崎県創業補助金）
• 運転資金融資

	支援をしたVSIDE　山浦より一言
		田方さんは病院勤務をしていた際、利用者のために本当に必要なサポートが十分出来ないと感じ、解決するために起業を決意されました。真面目、誠実、一生懸命で、利用者ファーストで高齢者に寄り添うことができる、熱い、温かい人柄です。創業が軌道に乗るまでも、多くのハードルがあり、決して順調ではありませんでしたが、すべて乗り越えることができたのは、田方さんの人柄によるところが大きいと感じています。利用者、金融機関、取引先、ケアマネジャーなど周りからの信頼も大変厚いので、きっとこの事業はより多くの方に届くと確信しています。2店舗、3店舗と事業を拡大し多くの困っている人の助けになると期待してやみません。