2026年02月16日
VR
VRビジネス活用ガイド | 佐世保市の産業別の導入アイデアも解説
起業・経営に役立つ知識

人手不足の解消や熟練技術の継承、安全教育の徹底、新たな観光体験の創出といった課題は、多くの地方自治体が直面するものであり、佐世保市も例外ではありません。
近年では、このような課題を解決する優秀なツールの一つとして「VR(仮想現実)」がビジネスシーンで注目されています。
VRと聞くと、ゲームの世界をイメージするかもしれませんが、現代では様々な場面でVR技術が活用されています。
この記事では、VRをビジネスに活かすメリットに触れつつ、佐世保市の産業別の導入アイデアについてもご紹介します。
VRとは
VRとは、英語の「Virtual Reality」の略で、日本語に訳すと「仮想現実」となります。
あたかも現実に存在するような仮想空間を作り出しつつ、感覚からの刺激を通じて疑似体験できる技術です。
具体例としては、自宅にいながら音楽フェスに参加しているようなサービスや、オフィス内で工場の職業訓練に近い作業を体験できるシミュレータなどが該当します。
遠方に足を運ぶことなく、臨場感のある体験ができるのが、VRの特徴です。
VRを利用するためには、VRゴーグルやコントローラ、スマートフォンなどの機器が必要です。
どのような用途にVRを活用するのかによって、準備する機器も変わってきます。
VRをビジネスに活かすメリット
VRがビジネスシーンにおいて重宝されるのは、現実世界での「物理的制約」を大幅に取り払えることが主な理由です。
以下、主な3つのメリットをご紹介します。
コスト削減が期待できる
VRを活用することにより、仮想現実の中でリアルな体験が実現し、ユーザー自身の経験値を高められます。
その結果、製造業であれば試作品(プロトタイプ)の制作費、研修であれば高価な訓練設備費や出張費、教材費を削減することにつながります。
従来は大型模型が必要だった研修も、VRゴーグル一つで代替可能な時代が到来しているのです。
「体験」による学習・訓練の質の向上
OJT含め、かつての研修・教育ではマニュアルを読むだけでは伝わらない部分を教える必要があり、教育に人的リソースを割かなければならない場面は数多く存在しました。
しかし、VRなら知識だけでなく「感覚」や「手順」についても、高い没入感の中で自らの体験として習得しやすくなります。
結果的に、知識・技術の定着率が飛躍的に向上するものと考えられます。
時間・場所・安全の制約を超える
高所や海辺など、現実世界では訓練の難易度が高い環境においても、VRは活躍します。
時間・場所を問わず、安全面にも配慮しながら、危険な環境を体験できます。
距離の観点からは、佐世保から別の市区町村にいるスタッフへ遠隔指導を行ったり、佐世保への移住を考えている人が物件を内見したりすることも可能になります。
【佐世保市の産業別】VRビジネス活用法と具体的アイデア
続いては、佐世保市の主要産業に即した、具体的な活用事例をいくつかご紹介します。
製造業・造船業|技術継承
製造業や造船業では、危険作業の安全教育、熟練工の高齢化による技術継承などが、差し迫って重要な課題となっています。
この点に注目してVRを活用すれば、職人の技術を新人が「疑似体験」し、経験値として蓄積しやすくなるでしょう。
熟練工の手の動き、工具の使い方といった暗黙知を360度実写やCGで再現することにより、新人は納得いくまで反復練習できるようになります。
新人が現場に出た後は、見ている映像を事務所で経験豊富な社員がリアルタイムで共有し、遠隔で技術指導や保守点検の指示を出すこともできます。
高所からの墜落、クレーン作業やフォークリフトの死角、機械への巻き込まれといった労働災害を体験化する上でも、VRは貢献します。
座学では得られない恐怖感から、危機意識とプロの仕事を植え付けることができるのです。

観光・小売業|新たな価値体験の創出
観光業や小売業では、VRは「新たな体験価値」を提供し、集客や販売促進につなげる重要なツールとなり得ます。
例えば、九十九島の絶景クルージング体験、ハウステンボスのイルミネーション体験といったように、自社施設やサービスの魅力をVRで疑似体験してもらえれば、ユーザーの来訪意欲を強く刺激できるでしょう。
ショッピング体験であれば、例えばさせぼ五番街の様子や自社商業施設をVR空間に再現し、新たな顧客接点とすることも可能です。
その他、佐世保鎮守府(旧海軍)時代の街並みなど、現代では見られない歴史的景観をVR再現し、新たな観光コンテンツとする方法も考えられます。
医療・介護分野|研修のクオリティアップ
専門技術と人手が必要な医療・介護分野でも、VR研修は急速に普及しています。
例えば、医師や看護師が、難しい手術の手技や注射など、熟練が必要な技術を繰り返し練習するのにも活用されます。
手術の事前説明時には、難しい手術内容や治療プロセスをVRで可視化することにより、患者・家族の理解を深められるでしょう。
介護の分野では、認知症患者の世界の捉え方について、VRで介護者自身が体験することにより、患者の行動原理を理解したコミュニケーション能力を学ぶことにもつながります。
まとめ
VRを導入する場合、目的を定めてコンテンツの内容を決めた後、テストと改善を繰り返す必要があります。しかし、VR技術を自社のビジネスに活かすことができれば、新たな商機をつかむことにつながります。
近年では、ビジネス特化型のデバイスも登場しており、価格も抑えられているものが多く見られます。まずは、IT導入補助金など国のサポートを受けながら、スモールステップでチャレンジすることを目指してみてはいかがでしょうか。





