2024年03月27日
リサイクルショップ開業
リサイクルショップを開業するために必要なこと|資格や資金・注意点などを解説
起業・経営に役立つ知識
リサイクルショップを開業するために必要なこと|資格や資金・注意点などを解説
消費者の意識が「新品志向」から「リサイクル志向」へと変化する中、リサイクルショップのニーズも高まっており、近年では店舗を持たずネットオークションやフリマアプリを利用する事業者もみられます。
その一方で、開店してからごくわずかな期間で閉店を迎えてしまうケースも珍しくなく、小規模の店舗が生き抜くのは容易なことではありません。
とはいえ、基本的には古物商許可証の申請だけでスタートできる手軽さもあり、リサイクルショップの開業を検討する人は今なお数多く存在しています。
この記事では、リサイクルショップを開業する上で必要なことを、資格・資金・注意点などに触れつつ解説します。
リサイクルショップの業態とは
リサイクルショップとは、一度でも取引されたことのある商品(古物)を取り扱うお店のことを指し、リサイクルショップの業態は「古物営業」に分類されます。
具体的には、古物の売買や交換、委託を受けての売買・交換を行うことを指します。
古物営業を行う際は、古物商許可を得る必要があり、管轄の警察署に届出が必要です。
各種申請書類を提出後、許可証の交付を受け、ようやく古物商としての営業活動ができるようになります。
申請時の必要書類は?
申請時の必要書類は、管轄する地域の警察署によって必要かどうかが変わってきます。
例えば個人で開業する場合、概ね次のような書類等を求められるものと考えておきましょう。
- 収入証紙(19,000円分)
- 許可申請書(必要とされる書式に記載)
- 略歴書(最近5年間の住所歴、職歴などを記載するもの)
- 住民票(本籍記載、個人番号の記載がないもの)
- 誓約書(古物営業法第4条に該当しないことを誓約する書面)
- 身分証明書 など
このほか、ホームページを利用した古物取引を行う場合は、URLの使用権限を疎明(証明)する資料を求められることがあります。
一概には言えませんが、古物商許可の免許が下りるまで40~60日ほどかかることが予想されるため、開店予定日から逆算して早め早めに準備を進めておきたいところです。
リサイクルショップの開業資金はいくら必要?
実際にリサイクルショップを開業する場合、実店舗にするかネット主体にするかで費用感が変わります。
お客さんに商品を手に取って判断してもらう場合は、売り物を展示できるスペースが必要になるため、ネット主体の場合に比べて初期投資額・ランニングコストが増大します。大まかには、店舗経営であれば開業資金700万円以上、ネット主体なら300万円以上を目安に考えておくとよいでしょう。
また、仕入れに必要な金額も含め、開業資金は最低3~6ヶ月分を確保しておくと、仮に利益が出なかった場合でも一定期間は営業が継続できます。
以下、店舗を構えるかどうかで差がつく費用と、それほど差がつかないであろう費用について解説します。
店舗を構えた場合に差がつく費用
リサイクルショップの店舗を構えた場合、ネット主体の場合に比べて差がつく費用としては、次のようなものがあげられます。
契約料(物件) | <実店舗の場合>
<ネット主体の場合>
|
設備関連の費用 | <実店舗の場合>
<ネット主体の場合>
|
店舗・ネットで大きな差がない費用
仕入れや自社サイト構築、広告費などは、店舗・ネットで大きな差はないものと考えてよいでしょう。
また、人件費に関しては、出店規模によって変わることから、店舗・ネットの別だけで判断することはできません。
リサイクルショップを円滑に経営するための注意点
リサイクルショップを円滑に経営するためには、逆説的ですが「廃業を避けるためにはどうすればよいのか」を知ることが大切です。
以下、具体的な注意点をいくつかご紹介します。
仕入れルートを確保する
意外かもしれませんが、リサイクルショップが廃業してしまう主な理由は、資金不足ではなく「販売商品がなくなる」こととされます。
多くのリサイクルショップが買取に力を入れているのは、商品の確保がリサイクルショップの経営において死活問題となるからです。
モノを売ってくれる顧客との信頼関係を築くのはもちろんのこと、古物営業許可証を持つ事業者が集まる「古物市場」を有効に活用し、安定して優良商品を仕入れられる体制を構築することが大切です。
実店舗を経営する場合はイメージを統一する
実店舗を経営する場合は、あらかじめお店のイメージを決めて、内装・陳列・BGMを一つの方向性でまとめましょう。
あらゆる古物を乱雑に集めるだけでは、お店の雰囲気も乱雑なものになってしまい、せっかく訪れてくれたお客さんに悪いイメージを与える可能性があります。
従業員を雇うなら専門分野を意識する
ある分野の商品に絞ってリサイクルショップを運営するつもりなら、その分野に精通した従業員を雇いましょう。
店長自ら従業員の教育に時間を割くのは無理があるため、取り扱う予定の商品につき、すでに一定の専門知識がある人材を雇った方が経営を効率化できるでしょう。
まとめ
リサイクルショップそのものは、特殊な経験・スキルがなくとも開業できる業態の一つに数えられます。
しかし、商品を安定して販売し、経営を軌道に乗せるためには、仕入れ・集客にも注力しなければなりません。
また、開業する地域によっては、大手リサイクルショップとの競争につながる可能性があります。
思うように収益が伸びない場合に備えて、資金はゆとりをもって準備しておきましょう。
その上で、安定した仕入れルートの確保、お店のイメージの統一、専門知識が豊富なスタッフの採用が実現すれば、盤石な経営体制を築くことも不可能ではありません。
ネット主体で経営する場合であっても、ホームページの情報量やデザインにこだわるなど、買取・集客につながる施策を講じることが大切です。