2022年10月30日

書評

【書評】プロ目線のインスタ運用法

起業・経営に役立つ知識

 

出版社:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
著者:石川侑輝(株式会社SAKIYOMI)

 

インスタ運用の誤解と真実とは?

 

多くの企業が利用しているインスタグラム。その運用で大事なことは何でしょうか。

「いいね」をたくさん集めるために、エモい写真を撮ったり、タグ付けをサボらずにやることだと多くの人が思っているはず。

 

しかし本当は違います。エモい写真を撮る必要はありません。さらにテキストで検索できるので、タグ付けに気合を入れなくても大丈夫。じゃあ、何をすれば良いのでしょう。これらのことをやらなかったら「いいね」が集められないんじゃないかと不安になりますよね。
安心してください。「いいね」よりも数倍大事な指標があります。それが「保存率」です。

 

こんな「インスタの真実」を、これ以上ないくらいわかりやすく教えてくれるのが、『平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法』です。

この本の著者は株式会社SAKIYOMIの代表を務める石川侑輝氏。インスタグラム運用代行で「平均4.2か月で1万フォロワーを達成」するなど驚きの実績を持つサービスを展開しています。

その運用実績で驚きなのは「オフィス紹介業」や「ウォーターサーバー業」など、一見すると「インスタ映えするの?」と思えるような事業でも成功していること。
いったいどんな運用をしているのでしょうか。

 

本書では、SAKIYOMIで実績を積んだインスタ運用のカラクリが余すことなく解き明かされています。

 

 

「いいね」「インスタ映え」「ハッシュタグ」は不要

 

本書を手に取る人は
「映える、写真の撮り方」

「狙いたいユーザの投稿に、地道に”いいね”を押してフォローバックを狙いましょう」

「ハッシュタグをたくさんつけましょう」

といった内容を予想するのではないでしょうか。

 

ところが、表紙には

「いいね」不要
「インスタ映え」不要
「ハッシュタグ」不要
といった、これまでのインスタに対する認識が180度覆されるような文字が並んでいます。

 

 

フォロワー増が止まらない「PECTサイクル」

本書のエッセンスは、19ページ目のある「PECTサイクル」の図に凝縮されています。

PECTサイクルを概観すると

 

Profile:プロフィールを見たユーザにフォローしてもらう
Engagement:投稿がフォロワーのタイムラインに表示されるようにする
Collection:フォロワー以外の「発見タブ」「検索」で表示される
Trafic line:投稿を見た人にプロフィールを訪問してもらう

 

というものです。

 

そして、

「各サイクルで重視すべき指標は何か?」

「その指標を達成するために取るべきアクションは何か?」

これらの論点にすべて答えてくれます。

 

 

有益な投稿かどうかを左右する「保存率」

 

インスタ運用において多くの方が「いいね」をもらうことを目標に投稿しています。
たくさん「いいね」がもらえれば嬉しいですし、少なければ悲しいものです。
この「いいね」の重視は、投稿者目線に立ってしまっている証拠です。ユーザ目線に立てば、「いいね」の数はそこまで重要ではありません。

なぜなら、どの投稿にいくつ「いいね」がついているかは表示されないからです。

では、ユーザ目線に立ったときに、重要になる指標は何でしょうか。

それが「保存率」です。

 

通常インスタのユーザーは

「今シーズンの着こなしの参考になる情報はないかな?」

「晩ご飯の参考になるレシピがないかな?」

「来週末のお出かけに参考になる情報はないかな?」

といった目線でインスタを眺めています。

そして、参考になる情報が見つかったときに「保存」をします。

後で買い物する時、料理をする時、パートナーと話し合う時に見返すために、「保存」をする。

価値のある情報だから「保存」するわけです。

「いいね」を押して終わりの映える写真などよりも「保存される投稿」のほうが大事だということです。

 

企業のインスタ運用担当者にはオススメできる一冊。あなたのインスタグラムの運用を見直してみませんか。