2022年11月24日
書評
【書評】アイデアのつくり方
起業・経営に役立つ知識
出版社: CCCメディアハウス 著者:ジェームス W.ヤング、竹内 均(解説)、今井 茂雄(翻訳) |
「アイデアを出せ」と言われるけど、何も思いつかない」
「色々な思考法があるけど、アイデアを出すために最低限押さえておくべき本質的なコツは何だろう」
本書はアイデアを出すことに悩んでいる全ての人に贈る一冊です。
アメリカで初版が出たのが1940年。なんと今から80年以上前のこと。それから全世界で読み継がれている不朽の名作です。それだけ普遍的で本質的なことが書かれているとも言えます。
あなたがこの本を手に取って驚くのは「本の薄さ」です。なんとまえがきも含めてページ数は約50ページ。この50ページの中に、アイデアを生み出すための「本質」がぎゅっと詰まっています。とにかく無駄がありません。さらに表現も非常にやさしく書かれています。ですが、本の内容を自分の物にするのはとても難しい。こんなにも「難しいことを簡単に書いた本」はないかもしれません。
ジェームスは言います。アイデアをつくる原理原則には2つある、と。
第一に、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせであるということ。
第二に、新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す力に依存するということ。
そしてアイデアをつくるためには、次の5段階を欠かさずに踏む必要があるのです。
【第1段階】資料を収集する
⇒特殊資料
直近で向き合うべきテーマに関連する資料を深く掘り下げて読み込む。
⇒一般資料
日ごろからあらゆる方面のどんな知識にも貪欲にアンテナを張っておく。
【第2段階】資料を噛み砕く
⇒色々な要素を一つ一つ心の触覚で触ってみて、並べてみて、向きや明るさを変えてみて、関係を探し出す
⇒何か少しでも思いついたら、不完全でもいいから書き留めておく
(絶望状態)
⇒何もかも心の中でごっちゃになって、どこからもはっきりした明察は生まれてこない…
【第3段階】問題を全て放棄する
⇒問題を無意識の心に移し、眠っている間に、それが勝手に働くのに任せておく
⇒何でもいいから、自分の想像力や感情を刺激するものに没頭する
【第4段階】アイデアが訪れる
⇒ヒゲをそっているとき/風呂に入っているとき/トイレのときなど…。何気ないときにアイデアが心の中に飛び込んでくる
【第5段階】アイデアを現実に連れ出す
⇒アイデアを実現するために忍耐強く手を加える
どうでしょうか。よく「アイデアが降りてくる」といいますが、第4段階はまさにそれです。ただしゼロからアイデアが降りてくるのではなく、しっかりとした準備があるからこそアイデアが訪れているのだということです。
表紙に書いてある通り、まさに「60分で読めるけれど、一生あなたを離さない本」です。手許に置いておくことをオススメします。