2023年01月16日
経理・会計
クラウド型?それともインストール型? これから起業する人に最適な会計ソフトの選び方
起業・経営に役立つ知識
独立起業すると、毎年2月16日~3月15日までの間に確定申告が必要です。
頑張れば自分でもできる確定申告作業ですが、帳簿や決算書など必要な書類が多いこと。
事業をしながら書類をまとめる時間がなかなか取れないことから、会計ソフトを利用して会計処理・集計・管理をしている方がほとんどです。
会計ソフトを使用すれば、収支をお小遣い帳感覚で入力するだけで、面倒な書類作成が完了。
サポートが充実しているプランなら、さらに作業を簡略化できます。
今回は、数ある会計ソフトの中から、どの製品を選ぶべきなのか。
会計ソフトの種類と選び方を紹介いたします!
会計ソフトの種類
会計ソフトには、大きく分けて「クラウド型」「インストール型」の二種類があります。まずは、それぞれのメリット・デメリットをたしかめておきましょう。
クラウド型会計ソフト
クラウド型会計ソフトは、インターネットからいつでもどこでもアクセスできる会計サービスです。インストール不要のため、自宅やオフィス、スマホなどどこからでも接続できる、自動で最新のバージョンにアップデートされる、といったメリットがあります。
確定申告は税率が変わったり、法改正があったりした場合に、都度対応する必要があります。クラウド型を選んでおけば、その年度に応じた書類作成ができるため、非常に便利です。さらに手間を省きたい場合は、クレジットカードや銀行口座との連携が可能なため、積極的に活用してみましょう。
導入までの手順が簡単、導入費用が安い、パソコンが壊れても情報が守られる、といった点も、クラウド型会計ソフトの特長です。
デメリットとしては、推測されやすいログインIDやパスワードを使用している場合、情報の漏洩やデータ消去の恐れがあります。個人情報は慎重に扱いましょう。
クラウド会計ソフトを運営している会社が倒産した場合、データが消えてしまう可能性もあります。クラウド型会計ソフトを利用するなら、ユーザー数の多い大手企業のサービスを選びましょう。
インストール型会計ソフト
インストール型の会計ソフトは、その名の通り、仕事用のパソコンなどにインストールして利用します。インターネット環境がなくても確定申告作業ができる、クラウド型と比較して動作が早い、という点がメリットです。
多機能な製品が多く、事業向けにソフトをカスタマイズしやすい、売上の分析ができる、という特長があります。
費用は製品によってそれぞれです。価格だけでなく、そのソフトで何ができるのか、どのようなサポートが受けられるのか、という点をチェックの上、最適な製品を選びましょう。
デメリットとしては、
- インストールした以外のパソコン以外からは使用できない
- パソコンがこわれてしまった場合、データが消えてしまう場合がある
- パソコントラブルに備えて、手動でバックアップが必要
- 情報更新の際にアップデート費用がかかる場合がある
- 主にWindows対応でMacでは使用できないケースが多い
という点が挙げられます。
会計ソフト導入にかかる費用
会計ソフトは、導入方法によってそれぞれ費用が発生します。
クラウド型の場合、年間12,000円(月1,000円)程度で利用できるサービスが一般的です。
起業したての個人事業主の場合は、低価格帯のプランで十分ですが、事業が軌道により売り上げがアップしたり、法人化を検討したり、という場合は、より機能の多い20,000円以上のプランを検討してみましょう。
利用者の多い弥生会計オンライン(青色申告)の場合、8,800円のセルフプラン、13,800円のベーシックプラン、24,000円のトータルプランが用意されています。
(2022年11月末時点)
インストール型のソフトは、クラウド型よりも高価格帯です。5,000円台で利用できるソフトもありますが、10,000円を超えるソフトが多く、アップデード の考え方が製品によって違います。
毎年、新しいパッケージを購入するタイプ、サポート期間中は無料アップデートができるタイプなど、それぞれ特徴があるため比較検討の上、決定しましょう。
「古いソフトをそのまま使用すれば、会計ソフト代を節約できる」と考えがちですが、ここ数年の傾向から税制改定など、毎年なんらかの変更がみられます。
申告ミスなく、ただしく書類作成するためにも、最新版を利用するのがおすすめです。
弥生会計(スタンダード)の場合、セルフプラン付き48,000円、ベーシックプラン付き48,000円、トータルプラン付き74,950円で利用できます。
※弥生製品は時期年度分の無償提供が含まれているため、セルフプランの場合は実質年額24,000円の計算となります。
会計ソフトと税理士への依頼はどっちがおすすめ?
確定申告は会計ソフトを活用する以外に、税理士へ依頼するという手段もあります。
税理士へ青色申告のみを依頼する場合、年間売り上げが500万円以下であれば、以下金額を目安に依頼可能です。
- 確定申告のみ:1回50,000円程度
- 確定申告と記帳代行:1回100,000円程度
費用面では会計ソフトを利用する方が節約になりますが、
「仕事が忙しく入力の時間が取れない」
「申告作業が苦手で時間がかかり過ぎてしまう」
というは、税理士に相談すると、必要な作業へ集中できます。
まとめ
会計ソフト選びは、クラウド型かインストール型か、予算内で使い続けられるかどうか、といった点を考慮して、事業に最適な製品を選びましょう。
販売されている多くの会計ソフトで、無料お試しプランが用意されています。まずは実際に入力してみて、使い勝手をたしかめてから決定するのがおすすめです。
事業に専念するためにも、手間を減らすためにも、確定申告は会計ソフトを活用してみてください。