2023年11月14日

アイデアの整理

ビジネスプランをブラッシュアップする「アイデアの壁打ち」とは?

起業・経営に役立つ知識

 

「ビジネスのアイデアがぼんやりしている」

「どこでつまずいているのかわからない」

「起業について話を聞いてもらいたい」

 

みなさんの中には、このようなお悩みはありませんか?
そのようなときにおすすめしたいのが「壁打ち」という手法です。

壁打ちとは思考を整理するための会話で、壁打ちをすると、ビジネスのアイデアが浮かんだり、プランやコンセプトが明確になったりするメリットがあります。

 

この記事では起業を考えている方に向け、壁打ちのメリットと効果的な壁打ちの方法について詳しく解説します。起業を考えている方のヒントになれば嬉しいです。

 


 

壁打ちとは?

みなさんの中では壁打ちという言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。
壁打ちとは、テニスの壁打ち練習のように、人に壁の役割になってもらい、自分の話を聞いてもらうことです。相談のようなかしこまったものではなく、軽いタッチのもので、聞き役も上司・同僚・友人・家族などさまざまです。
ビジネスにおいては新規事業を始めるうえでよく行われており、相手に答えや解決策を求めず聞き役に徹してもらうのが特徴です。

 

壁打ちのメリット

壁打ちは、ビジネスプランをブラッシュアップするうえで欠かせないアクションです。「ちょっと今考えていることがあって……」と、これまで友人に自分の夢やビジネスについて話したことはないでしょうか。話したことがきっかけで前に進めた、という経験があればそれは壁打ちの効果を体験したことになります。

壁打ちをするメリットには次のようなものがあります。

 

  • 思考の整理ができる
  • 客観視できる
  • 新たな知見を得られる

 

以下、詳しく説明します。

 

思考の整理ができる

ぼんやりした状態のアイデアも言葉にすることで、よりイメージが明確になります。「○○みたいなサービスを創りたい」など、まず言葉にしてみましょう。そして言葉のキャッチボールを繰り返していくうちに、あるワードがヒントになり、アイデアがひらめくこともあります。
「なぜそのサービスを販売したいの?」など相手から率直に聞かれることで、自分のこだわりや思いが明確になり、ビジネスコンセプトが見えてきます。
このように壁打ちによって思考の整理ができ、自分の考えやアイデアを深化させることができるのです。

 

客観視できる

自分と違う視点を持った人と話すことで、視点を変えるきっかけになります。たとえば仮説が間違っていたり、思い込みに気づいたりなどがそうです。
そもそもなぜその商品・サービスを売りたいのか、ユーザーの視点になってベネフィットを説明できるでしょうか。というのも、1人で考えていると、売ることに意識が向きすぎてしまい、ユーザー視点が抜け落ちる場合があります。客観的な立場の意見をもらうことで、ユーザー視点に立ち返るきっかけを与えてくれます。
また、自分では気づけない自分の強みやオリジナリティを教えてくれるかもしれません。

 

新たな知見が得られる

壁打ちの相手から新しいアイデアや、自分にはない知識や情報をもらえます。知識や情報だけでなく、壁打ちの相手がもし幅広い人間関係やビジネスのネットワークを持っていれば、紹介してもらうチャンスです。人脈が広がることで、自分1人だけでは難しいビジネスプランも、協力者を得て前に進められます。

 

効果的な壁打ちをするには?

それでは、効果的な壁打ちをするには、どのような人にお願いするのがよいのでしょうか?結論から言うと、起業の専門家に壁打ちをしてもらうのが最もよい方法です。詳しく説明します。

 

思考の整理をするには友人知人でもOK

思考を整理するためなら、頼みやすい友人知人でもよいでしょう。友人の場合は、自分のことをよく理解していますし、遠慮なく感じたことを話してくれます。
ただ、ビジネスについて深い話は難しいかもしれません。また、あなたの変化や挑戦を恐れる人に壁打ちをしてしまうと、否定的な反応ばかりで建設的な壁打ちにならない可能性があります。

友人と壁打ちをする場合は、あくまでも思考の整理のためや、行動力を高めるためのきっかけにするとよいでしょう。

 

専門家に壁打ちをお願いする

専門家というのは、ここでは新規事業を支援する企業や団体のことを指します。それ以外に、同じ分野の先輩起業家に壁打ちを依頼することもあるでしょう。

先行事例を知る上ではよいですが、一人ひとり事業のプロセスも異なりますし、これから参入する業界の人に情報を与えてしまうことになりかねません。個人情報はおろか、競合にもなるかもしれない相手にビジネス情報を提供してしまうことになるので、軽はずみに壁打ちはお願いしないほうが得策でしょう。

 

一方、起業支援を専門にした人の場合は情報も守りますし、ヒアリング力も高く、スタートアップのための知識やつながりも豊富です。

つまり、ビジネスプランをブラッシュアップするためには、起業支援の実績のある人に壁打ちをするのが最善と言えるでしょう。

 

自分なりの仮説をもって壁打ちする

よりよい壁打ちをする上で大切なことは、自分なりの仮説をもって話をすることです。仮説がないと「どうしたらよいか」「どうすればできるか」など、受動的な思考に陥る危険があるからです。

 

壁打ちはあくまでも自分の思考の整理や、自分に内在している思いや実現したいことを引き出す行為でなくてはなりません。相手に答えを委ねるのではなく、あくまでも主体的に考えていく必要があります。そのうえで仮説思考は大切な心構えです。

 

まとめ

壁打ちのメリットや効果的な方法について紹介しました。スタートアップの起業家だけでなく、何十年も会社を経営しているトップの人々も、日々壁打ちをしています。

あなたのビジネスプランを実現するために、まずは気軽な気持ちで壁打ちに挑戦してみませんか?