2023年01月27日
【初心者のためのマーケティング講座】3C分析
今すぐできる、3C分析 〜世の中を把握するための3C分析〜
起業・経営に役立つ知識
この記事の概要
東証プライム上場の、日用品メーカー(特定分野でアジアNo,1)に勤務。現役でマーケティング部門の管理を担当しているヒロヴィンチです。
この記事では、「これからマーケティングをやってみる」というあなたに、実践編として、マーケティングのファーストステップとなる【3C分析】について、具体的にご説明します。
今回の記事は、このような方にオススメの内容になっています。
- 3C分析を分かりやすく説明してほしい
- 3C分析を短時間で習得したい
- 3C分析の手順を知りたい
- 3C分析をどのように活用すればいいのか分からない
マーケティングの最初のステップ「3C分析」
さて、第三回の記事は「3C分析」を取り扱います。
第一回、第二回の記事までで、「今、なぜマーケティングが必要なのか?」「マーケティングは8つの基本ステップに沿って進んでいく」という全体像をご説明いたしました。
前回の記事でご説明したように、マーケティングの基本となる8つのステップで、最初のステップに来るのがこの「3C分析」です。
ビジネスマンの皆様は、「3C分析」に関する書籍を読んだり、周りの方から話を聞いたりしたことがあると思います。
「ビジネスの基本でしょ!」というお声が聞こえてきそうですが、「3C分析」を何の目的で、何のために、どうやって実施するのか、を深く理解できている方は多くありません。
3C分析は「環境分析」と呼ばれるもので、あなたやあなたのビジネスを取り巻く環境を上手に整理するための分析手法・考え方のことです。
実は、「3C分析」は単体では何も意味を成しません。肝心なのは「3C分析」はマーケティングを実践する上での“事前準備段階”である、という考え方をしっかり知っておくことです。
今回の記事で「3C分析」とは何か、どのように分析したらよいのか、をしっかり学んで頂き、マーケティング8つのステップのスタートを切っていきましょう!
現在のあなたを取り巻く状況を整理し「機会」を見出すことが目的
3C分析とは、ビジネスマンのみならずとも、販売のお仕事に就いている方は誰しもが聞いた事のある言葉ですね。3C分析は環境を整理する方法で、あなたのビジネスを取り巻く環境を上手に整理するための分析手法・考え方のことです。
「3C」とは、
- 顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
これらの頭文字を取ったのが3C分析です。ここまではご存じの方も多いかもしれませんね。
さて、ここからは「3C分析」について詳細に解説します。より理解を深めて頂き、実践できるまで知識レベルを上げていきましょう。
3C分析はなぜ「3つ」なのか?
さて、ふと疑問に思うことはありませんか?「3C分析って、なぜ3つなの?」
なぜ3つなのかというと、あなたや、あなたのビジネスを取り巻く環境のうち、最も影響し合う大半の因果関係があるのがこの3つ(顧客・競合・自社)だからです。
取り巻く環境を分析しようと思えばいくらでもできますが、この世は森羅万象。環境なんてものは分析し始めたら一生終わりません。現在進行形で、たった今この瞬間もありとあらゆる環境が常に変化している時代です。
だからマーケティングにおいては、効果効率を考え、特に影響をおよぼす可能性の高い、大事な3つの視点だけを分析対象として扱います。その重要な要素を取り出したのが「3C分析」です。
3つのC(顧客、競合、自社)に大半の因果関係があり、この3つを把握できれば戦略がたてられる状態になる、という考え方です。
環境変化を調べるとなると、ありとあらゆるものを調べたくなってしまいますが、いくら調べても、その後のステップのアクションにつなげなければ、売上・利益にはつながりません。
顧客・競合・自社の3つの視点に集中して、下準備を効率的に進める為に3C分析を使っていきましょう。
マーケティング中級者の方はこれに加えて3C分析の更に1つ前に、「PEST(ペスト)分析」という環境分析を行いますが、それは3C分析を十分に使いこなしてから学べば充分です。
3C分析はただの”始まり”で、3C分析単体では役に立たない
さて、「3C分析」の詳細な解説に入る前に、必ず押さえておきたいポイントがあります。
3C分析は、マーケティングの始まりに過ぎず、3Cだけでは何の役にも立ちません。
3C分析を理解するには、マーケティングの流れ全体を押さえておく必要があります。
冒頭にお示しした、マーケティングの基本8ステップについて、全てのStepは、前のStepを「完了しないと考えることができない」という特徴があります。
3C分析は単体では役に立たず、次のステップ「セグメンテーション」を考えるための材料に過ぎないのです。
3C分析の最大の目的は「機会を見出す」ことです。
環境変化を整理することにより、あなたのビジネスにとっての機会は何か?を導くことを最大の目的とする分析手法です。
上図にあるように、3C分析はマーケティングの最初のステップです。
この連続性が分かっていないと、例えば「初心者向け!3C分析」といった書籍を読むなどでぶつ切りの知識を得ても、いっさい使えない知識で終わってしまいます。
この流れを説明していない書籍が多すぎて、マーケティングが「よく分からない」という状態を生み出しているんですね。マーケティングをこれから始める方は、最初のStepとして3C分析を習得して実践して、あなたのビジネス機会を見つけ出してみましょう。
3C分析を書く時の3つのポイント
3C分析の書き方は、基本的に自由です。
ご自身が新聞・ニュースで見聞きした内容であったり、顧客アンケートから得られたものだったり、各企業が独自公開しているオープンな調査レポートなど、ソースは何でも結構です。
ただし、3C分析の分析結果として採用するには絶対に守るべきポイントが3つだけあります。
- これからやろうとしているテーマ、商品に「ギリギリ関係ありそうだな」という範囲まで広げて書くこと
- 個人の想像や感覚ではなく「客観的事実」を書くこと
- 「変化」したことや「新たな発見」を中心に書くこと
「ギリギリ関係あること」とは何か、下記の図でイメージしてください。
3C分析は、ビジネスを取り巻く環境を整理するので、やろうとしようとしていることやテーマにあまりに関係のないことを書いてはいけないように感じてしまいますよね。
しかし、3C分析は「ギリギリ関係ありそうだな」という範囲までなるべく広げて書きましょう。
例として、ボディソープを販売しようとする場合を考えてみましょう。
「顧客」の箇所には石鹸の使い方やお風呂にまつわることが思い浮かびますね。
それ以外にも、日常の肌の様子や最近気になるお肌の出来事など、「からだやお肌」にまつわることといった範囲まで広げて書きましょう。
なぜなら、そこに新たな機会や新商品のヒントがある可能性が潜んでいるからです。
顧客の欄に「日中、肌の赤みが気になる子どもが年々増加」と書けば、「天然の抗炎症成分配合のボディソープ」といったようなアイデアに繋がります。
商品のカテゴリー内のことばかりを書いていては、新しいアイデアは生まれません。
一方で、全く関係の無い事はわざわざピックアップして書き込む必要はありません。
絶対に守るべき3つのポイントに留意して、取り巻く環境を整理し機会を見出していきましょう。
3C分析をカンタンに作るための、筆者からのQUESTION!
やってみたけど、やっぱり書けないよ…そんなあなたのために、筆者からQuestionです。
この質問に答えていけば、自然と3C分析が出来上がる便利な質問集を作ってみましたのでご活用ください。
項目 | 質問 |
顧客 |
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競合 |
|
自社 |
|
これらの質問に答えていく形で、あなたのビジネスについての3C分析を完成してみましょう!
具体的な事例:Mバーガーの「すき焼きバーガー」
それでは、ここからは実際の商品を例にとって事例を通じて理解を深めましょう。
まだ記憶に新しい方もいらっしゃるのではないかと思います。2021年の11月に、緑色の看板で有名なハンバーガーショップのMバーガー社から新たな「すき焼きコンセプトのハンバーガー」が発売されました。
Mバーガー社の「すき焼きコンセプトのハンバーガー」の発売に至った3C分析を筆者が仮想で実施してみます。
※実際にMバーガー社で行われた3C分析ではありません
項目 | 質問 |
顧客 |
|
競合 |
|
自社 |
|
こうして3C分析で背景をまとめた結果「自宅で1人でも温かいすき焼きのお肉の味が楽しめるハンバーガー」というコンセプトに至ったと想定されます。商品には半熟風卵が搭載され、差別化されています。
環境変化を把握することで、誰に対して、どのようなコンセプトで、どんな商品を作ったら良いのか、ということを考えることが可能になります。
これは商品・サービスづくりのみならず、例えば広告メッセージをどう作るかだったり、販売促進をどのように行うか、等の販売戦略にもつながります。
マーケティング最初のステップとして、この記事を参考に「3C分析」をぜひ実施してみてくださいね。