2024年04月24日
中途採用ノウハウ
中途採用は難しい? 〜 新卒ではなく“即戦力”の採用を強化する処方箋
起業・経営に役立つ知識
人材を長期的に雇用することを考える場合、新卒採用が一般的な選択肢としてイメージされがちですが、育成コストなどの問題があります。そこで、一定の社会人経験・実務経験を持つ人材の中途採用を検討したところ、意外にも採用活動が難しく悩んでしまった経営者・採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
中途採用は、新卒採用以上に人材の見極めが難しいとされますが、欲しい人材のターゲット像を明確にできれば、採用力を強化することにつながります。
この記事では、一般的に中途採用が難しいとされる理由に触れつつ、中途採用で即戦力を採用する力を強化するための方法について解説します。
なぜ中途採用は難しいとされるのか
多くの企業が中途採用に難しさを感じているのは、相応の理由があります。以下、中途採用が難しいとされる理由について、主なものをいくつかご紹介します。
人材ニーズの高まり
日本国内の有効求人倍率は増加傾向にあり、新型コロナ禍での一時的な減少こそあったものの、長期的に見て今後も倍率は微増していくものと推察されます。
総じて求職者数よりも求人数の方が多いことから、人材獲得のライバルは多く、自社が人材を獲得できるチャンスが限られてしまっているのです。
そのような事情もあり、実務経験・スキルが豊富な即戦力人材は、社内でも高評価・好待遇を得られるため、あえて現職を離れようという気も起きないでしょう。
現代では転職エージェントなどの利用も一般化しており、職種によってはフリーランス転向という選択肢も選べることから、公開されている求人に応募しない人材も多いはずです。
スピーディーな採用を実現できない
人材ニーズが高まる中、採用活動においてもスピードが求められる時代となっています。
企業側の事情としても、新規立ち上げ・欠員募集など、できる限り早く人材を確保しなければならないケースは往々にして存在しています。しかし、見極めが十分でない採用はミスマッチにつながりやすく、面接の機会だけでは十分に人材を見極めにくい傾向にあります。
かといって、採用までに時間をかけ過ぎてしまうと、魅力的な人材が別の企業から内定をもらう可能性があり、スピードと質の両立が難しいと感じている採用担当者も多いはずです。
求職者が自社のことを知らない
大手企業や地元の有力企業・老舗企業などは、これまでの実績から知名度も高く、求職者も「あの会社はこんなことをしている」と頭にイメージを描きながら応募します。
しかし、知名度が少ない中小企業は、こういった知名度の高い企業と真っ向勝負をしても、なかなか人材に認知してもらいにくい一面があります。
そこで役立つのが求人媒体で、中途採用時は自社のことを求人広告によってPRし、多くの人材に向けて自社の情報を発信することになります。
しかし、求人広告にかけられるコストが限られている場合、予算が潤沢な企業に競り負けてしまうと、知名度向上は難しいでしょう。
自社の中途採用を強化するための処方箋
これから自社の中途採用を強化しようと考えるのであれば、大きく分けて3つのステップを踏む必要があります。以下、中途採用強化のためのステップについて解説します。
ターゲットに向けた採用活動に絞る
中途採用者は実務経験・スキルが人によって異なり、採用基準にもバラつきが生じやすいため、自社で採用したい人の人材像を具体化することが不可欠です。募集する職種における実務経験の年数や、保有している資格など、欲しい人材の具体的なイメージを固めていきます。
その後、ターゲットの人材像が魅力を感じるであろう要素の中で、自社がアピールできる点を洗い出し、他社との差別化を図ります。
例えば、バックオフィスでのリモートワークを認めているなど特徴的な魅力があれば、それを前面に押し出した求人広告を作成するイメージです。
ターゲットに合った求人媒体を選ぶ
募集するターゲット像が固まったら、次はそのターゲットが利用すると考えられる求人媒体を探しましょう。一口に求人媒体といっても様々な種類があるため、人材の属性に応じて使い分けることが大切です。
例えば、場所を問わず優秀な人材を募集するのであれば、全国展開する総合型の求人サイトを選ぶことになるでしょう。
しかし、地元で暮らす人材にアプローチしたい場合は、地域密着型の媒体を選んだ方が、採用活動を効率化できます。
採用手法を多様化する
求人媒体の利用と並行して、SNSや自社サイトを活用した採用活動も進めていきましょう。
若年者の場合、各種SNSを通して企業の情報収集を行っているケースは珍しくなく、知名度向上のため様々なコンテンツを継続的に発信している企業も見られます。あらかじめ自社の情報を発信しておくことで、知名度向上だけでなく、応募者自身がミスマッチを避けることにもつながるため、欲しい人材を採用できる確率が高まるでしょう。
求人媒体への予算が限られている場合は、まずSNS・自社サイトでの情報発信に注力することをおすすめします。
まとめ
中途採用は、行き当たりばったりで採用活動を行っても、なかなか理想の人材には出会えません。欲しい人材像を明確にしつつ、有効な求人媒体・採用方法を選ぶことが大切です。
長期的に見て、日本の労働人口は減少することが見込まれるため、今後の人材獲得の競争はより激しくなることが予想されます。そのような中、中途採用力を強化できれば、将来にわたり事業の成長を後押ししてくれるでしょう。