2024年09月11日
創業融資
創業融資審査に落ちないためのポイント|落ちてしまう理由も解説
起業・経営に役立つ知識
創業に向けて資金を用意する上で、日本政策金融公庫の「創業融資」を受けるためには、審査に通るかどうかが大きな山になります。
創業者だけで申請した場合、10人中通過できるのは約5人ともいわれており、難易度は高めと考えられます。
どうしても審査に通るのが難しい場合、自己資金だけを頼る方法もありますが、創業後の資金繰りを考えると融資を受けた方が安心です。
この記事では、創業融資審査に落ちないためのポイントについて、審査に落ちてしまう主な理由に触れつつ解説します。
なぜ創業融資審査は通るのが難しいのか
創業融資の審査においては、必要書類の提出後に面談を受けるため、書類・面談のいずれにおいても“審査に通る”ような内容・回答が求められます。
それを踏まえた上で、一般的に創業融資審査に通るのが難しいとされる理由について、主なものをいくつか取り上げます。
資金および融資に関する問題がある
資金および融資に関する点において、審査に落ちてしまう主な理由としては、次のようなものがあげられます。
- 自己資金が不足している
- 資金を何に使うのかが明確でない
- 融資希望額が大きすぎる
まず、創業融資を受ける際は、融資条件として「希望融資額の10%以上」の自己資金が必要とされています。しかし、こちらはあくまでも目安であり、実際に審査に通るためには「30%以上の自己資金」が求められるケースが多いようです。
自己資金が十分にあっても、開業資金の使い道・必要性が明確でない場合は、融資が受けられない可能性があります。
銀行等で融資を受ける際も同様ですが、資金の使い道が適切だと判断されなかった場合、そのビジネスが本当に実現できるのかどうか疑問視されるのです。
綿密に計画を立てたつもりでも、事業が持つ収益力では返済が難しいと担当者が判断した場合、やはり融資を受けるのは厳しくなります。
まとめると、適切な計画のもと、必要な分の資金を確保するための融資でなければ、審査に通りにくいものと考えられます。
創業者側に問題がある
いくら資金を用意できても、創業者側がこれから始める事業について何の経験・スキルも持っていない状況では、審査で「事業を運営できない」ものと判断される可能性が高いでしょう。
面接時にも創業計画は詳細に説明しなければならず、創業にあたり能力が不足していると、当然ながら説得力のある説明は難しくなります。
その他の創業者側に起因する問題としては、いわゆる信用情報上の問題があげられます。
例えば、過去のローン・クレジットカード等の支払を滞納していた場合、その情報が信用情報に載ってしまうため、審査に通るのは厳しいでしょう。
その他の問題がある
先にあげたもの以外で考えられる問題としては、例えば開業にあたり必要な資格・営業許可などを取得していなかったケースがあげられます。
融資を受けた後で資格等を取得しようと考えている人もいるかもしれませんが、原則として事前の許認可が必要になるため、創業時は各種手続きの順番を間違えないようにしましょう。
創業融資審査に落ちないためのポイントとは
創業融資審査に落ちないためには、担当者にマイナスの印象を与えないよう、対策を講じることが大切です。
以下、具体的なポイントを解説します。
創業計画書の内容を丁寧にまとめる
創業融資申込み時に作成・提出する創業計画書には、指定された書式に基づいて必要事項を埋めていき、提出する必要があります。
その際、より内容を充実させた事業計画書を作成して添付することもでき、自分の熱意と計画を伝えるのに役立ちます。
提出書類には、正しく根拠が示された数字を記載し、なぜ事業を運営できるのかアピールできる要素を盛り込みましょう。
チャレンジする業種に関連した経験を積む
開業予定の業種が未経験、あるいは経験に乏しい場合は、審査で不利になってしまいます。
そこで、開業予定の業種につき、何か客観的に知識・経験があることを証明できるようにしておきましょう。
具体的には、何らかの資格を取得したり、現職で働いている間に実務経験を積んだりするなどの方法が考えられます。
IT関連など、ジャンルによってはリモートで実務経験が積める場合もありますから、あきらめずに少しでもアピールポイントを増やす努力をしましょう。
プロの力を借りる
創業融資も含め、融資の申請に関しては、それを専門とするプロがいます。
自力で審査に通らないおそれがある場合、初めて審査を通す場合などは、経験豊富な税理士や公認会計士などに相談してみましょう。
仮に、自力で審査を受けて落ちるようなことがあると、同じ事業での融資審査を再度通すために時間がかかってしまいます。
VSIDEでも「佐世保市創業ネットワーク」の中核機関として、産業コーディネータがサポートを行っており、創業計画書作成のアドバイスを行っています。産業コーディネーターは中小企業診断士や銀行出身で創業支援を行っていた経験があるため、適切なサポートが可能です。
佐世保市が運営する施設ですので、市民の方(または移住予定の方)であれば無料で利用できます。
限りある時間を有効に使うためには、時に人の手を借りることも大切です。
まとめ
創業融資審査を通過するためには、創業者が「事業を順調に運営できる」ことを、根拠も含め明確に説明しなければなりません。
また、事業運営に支障のないレベルの資金を用意できているかどうかも審査の対象となるため、融資ありきで事業を回すことは難しいのが現実です。
ただし、基本的に融資担当者はお金を貸そうと考えているため、面接等で聞かれる内容も“審査を通すため”のものです。
よって、審査を過剰に警戒することなく、事業運営が可能な根拠を述べることに集中できれば、審査に通る確率も上がることでしょう。