2023年03月10日
法人設立
会社設立の方法とは?〜会社を作るために必要な書類や知っておくべきこと〜【起業ノウハウ】
起業・経営に役立つ知識
毎年数十名が独立して起業を志してVSIDEにもへ相談にいらっしゃいますが、会社を設立する方法を知らないという方も少なくありません。
知らないままで手続きを行えば、申請に必要な書類が足りずに起業できなかったり、起業ができたとしても後に困ってしまうおそれがあります。
スムーズに起業するためにも必要書類や会社を起業する流れなど、会社設立の正しい方法をしっかりと理解することが大切です。
会社設立の方法を学ぶ前に設立に関する基礎知識を知ろう!
会社設立の方法を理解するためにも、まずは会社設立に関する基礎知識を学びましょう。
会社設立にかかる費用は?
株式会社設立には「定款認証、収入印紙代、登録免許税」などで、合計で約20万円〜25万円かかりますが、電子定款を活用するなどで安く済ますことが可能です。
- 定款認証にかかる費用:5万円(謄本が必要な場合は別途約2,000円かかります)
- 収入印紙代:4万円(電子定款を使用した認証手続きを行う場合は必要なし)
- 登録免許税:15万円(佐世保市の認定特定創業支援を受けた方には軽減措置があります)
会社を起こすメリット
財産管理が厳しい法人での会社設立では、融資判断がしやすいため金融機関での資金調達の可能性を広げられます。また税制面では、個人事業だと所得税は累進課税となり所得が増えれば増えるほど支払う税額が上がりますが、法人では上限が最大でも23%ほどなので節税にもつながります。
- 融資や資金調達がしやすい
- 節税が可能
会社を設立するには何が必要?会社設立の方法と必要書類
会社を立ち上げるには何が必要なのか、会社設立の方法と必要書類を正しく理解しましょう。
会社を設立する際の流れ
- 会社の基本事項(概要)を決める
- 法人用の実印を作る
- 定款認証の手続きを行う
- 出資金、資本金を払う
- 登記申請書類を作り法務局で申請する
会社を設立する際に「社名、所在地、資本金、設立日、会計年度、事業目的、株主の構成、役員の構成、」が概要として必要となります。
また「定款(ていかん)」を作成する際は、法律で必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」があり、記載がない場合は無効になるため注意が必要です。
会社設立に必要な書類
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 定款
- 発起人の決定書
- 設立時取締役の就任承諾書
- 設立時代表取締役の就任承諾書
- 設立時取締役の印鑑証明書
- 資本金の支払をしたことを証する書面
- 印鑑届出書
- 登記すべき事項を記載した書面または保存したCD-R
会社設立で必要な書類は全部で10種類あり、どれか1つでも欠けていると会社を設立できないおそれもあるため、できるだけ余裕をもって用意するようにしましょう。
事業開始前に必要な手続き
会社設立では登記申請ができても、事業開始する前に以下の手続きを済ませておく必要があります。
- 法務局での手続き
- 税務署への届け出
- 都道府県税事務所への届け出
- 市町村役場への届け出(地方によって異なります)
- 年金事務所への届け出
- 法人口座の開設
従業員を雇用する場合にはこの他に「労働基準監督署への届け出」や、「ハローワークへの届け出」といった手続きも必要になります。
会社を設立した後もやることはいっぱい?設立後に必要となるもの
会社設立後に必要となるものを余裕をもって用意していると、スムーズに事業を始めることができるため、予め設立後に必要となるものを把握しておきましょう。
各種契約書が必要な場面
- 従業員を雇う:雇用契約書
- 融資を受ける:金銭消費貸借契約書
- 業務を委託する:業務委託契約書
- 情報を漏らさないようにする:秘密保持契約書
- オフィスを借りる:オフィス貸借契約書
- 年契約の際に支払いを約束する:売買契約書
- 業務提携をする:業務提携契約書
- 業務を請け負う又は請け負ってもらう:請負契約書
- 継続的取引を行う:取引基本契約書
契約書は、双方が合意のもと約束した契約を書面にしたもので、契約内容を明確にするだけでなく、万が一トラブルになってしまった場合でも有力な証拠になるため、必ず契約書を作成するように心がけることが大切です。
法人用にする銀行口座やクレジットカード
法人用の銀行口座やクレジットカードを持つことで、
- 出張費や消耗品などを個人で立て替える必要がなくなる
- クレジットカードと会計ソフトを連携させれば資金管理がしやすい
- 後払いの際、無利子で支払いの先延ばしが可能
- 事業と個人で使用した経費を分けることができる
- 従業員カードの発行が可能
など、多くのメリットがあり、事務作業の効率化を図りたい会社が事業の規模にかかわらず、法人用の銀行口座やクレジットカードを作っています。
オフィスの確保
個人事業の場合、自宅をオフィスと兼用する人も多いですが、その場合、商談スペースの確保が難しいことがあります。
また法人の場合の「本店所在地」は「(登記上の)会社の住所」にあたります。そのため自宅の所在地を知られたくない場合は自宅ではなくオフィスを借りる必要があります。宅地建物取引業(宅建業)では登記ができても許認可が受けられないことがありますので注意が必要です。
会社を設立した直後で資金が不足しているなどの理由から、できるだけオフィス費用の予算を抑えたい場合は、一定の期間だけ契約可能な「コワーキングスペース/シェアオフィス」や、安価で利用できるため首都圏を中心に広まっている「バーチャルオフィス」などの仮想事務所がおすすめです。
またVSIDEのインキュベーションルーム(創業支援室)は起業間もない方を支援するためのオフィスとして、非常に安く借りられますので空きがある場合は入居を検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
会社設立には様々な書類の提出や手続きを行う必要があり、どれか1つでも欠けていると申請が無効になってしまうおそれがあります。
また正しい会社設立の方法で法人が成立したとしてもそれで終わりではなく、成立した後でもやるべきことや、手続きがあるため忘れずに行うようにしましょう。
佐世保市では創業を志す方を対象に「認定特定創業支援」「佐世保市創業促進補助金」などの支援制度が充実していて、VSIDEの経験豊富なコーディネータが会社設立のサポートを無料で行っています。わからないことがあればお気軽にご相談ください。