2023年10月23日
起業ノウハウ
ものづくり起業で成功するためのポイント|成功要因・人材・取引先の見つけ方
起業・経営に役立つ知識
起業にあたり「アイデア」・」「ビジネスモデル」・「資金」を重視する人は多いかもしれません。特に、ものづくりの分野で起業を検討している人にとっては、小さなアイデアをどう育てていくかが重要になってきます。
しかし、アイデア・ビジネス以上に起業で重要なのは、安定して収益を出しつつ成長することです。
この記事では、ものづくり起業で成功するためのポイントとして、成功要因・人材・取引先の見つけ方について解説します。
起業における成功要因について
ものづくり起業で成功するためには、どんな企業が成功しているのかを知り、その要因について掘り下げることが大切です。
平成23年度版中小企業白書(第3-1-44図)で、起業した事業の成果が得られている要因がまとめられています。
最も重要とされる要因は「過去の経験や人脈」であり、これまで勤務してきた企業・組織等での経験・人脈が、将来の成功につながっていることを示しています。
他には「販売先の確保」・「質の高い人材の確保」が続き、成功要因のトップ3がヒトに関連していることが分かります。
その一方で、資金調達・事業内容の選定なども、成功要因にあげられています。
ヒト・カネの問題が解決して初めて、事業者は良いものづくりができると考えてよいでしょう。
多様化する資金調達の方法
企業が資金調達を行うための方法には、以下のようなものがあります。
資金調達の方法 |
詳細 |
出資 |
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融資 |
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補助金・助成金 |
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クラウドファンディング |
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補助金・助成金に関しては、新型コロナ禍で様々な給付金が給付されており、その後も新しい制度が登場しています。
また、自社のブランディングによって多くの人にアイデアが認められれば、金融機関に頼らず資金を確保することもできるようになりました。
どのような製品を製造するにせよ、ものづくりの分野では、資金調達が命綱となります。1つの方法だけに依存せず、複数の選択肢を用意しておくことが大切です。
クラウドファンディングについてはVSIDEでも過去に解説しています。
人材確保について
時代の変化とともに、ものづくりのプロセスは、1人でも進められるようになりました。しかし、事業の成長を考えるのであれば、やはり従業員を雇うことを想定する必要があります。
少子高齢化が進む日本では、新規の会社設立だけでなく、既存の中小企業においても人材確保が厳しい状況です。
異業種も含めた他社の競争にさらされる中で、優秀な人材を確保するためには、労働条件・賃金の面で好条件を提示しなければなりません。
また、採用活動を効率的に進めるためには、人材確保の手段・ノウハウの蓄積が不可欠です。
採用活動の一部を外注化する場合、自社がどういった強みを持っていて、どんな人材に来て欲しいのか、言語化しておくことも重要です。
取引先・協力者の確保について
取引先、または協力者を確保したい場合、まずは自社の存在を多くの人に知ってもらう必要があります。
そのためには、ものづくりに関連する技術や製品・自分の存在について、世の中に知らしめるための「場」を探すことが大切です。
技術をアピールしたいのであれば、ビジネスコンテスト等に参加して、自社の技術を取引先・協力者候補に評価してもらいましょう。
コンテストによっては、賞金や協力支援・技術提携などが期待できる場合があります。
また、起業支援を受けたい場合は、起業支援プログラム等を活用し、ビジネスの成長・拡大に関して支援を受けましょう。
佐世保市でも2020年から毎年ビジネスプランコンテスト「Start Up 99(スタートアップナインティナイン)」を開催しています。
ビジネスプランの作成ついてはVSIDE(佐世保市産業支援センター)の産業コーディネータのサポートも受けられます。また各賞受賞者には賞金のほか、起業にあたってさまざまな優遇制度が活用できる特典があります。
横のつながりを広げたいなら、起業家・事業者が集まる交流会等を活用して、人脈を広げるのも一手です。
もちろん、それらの選択肢以上に大事なのは、面識がある人の活用です。
前職以前で勤務する中、信頼関係を築いた人・企業とのつながりが、後に取引先に発展する可能性は十分あります。
まとめ
ものづくりの分野においては、アイデア・ビジネスモデル・資金を重視する向きがありますが、取引先・出資者を確保するためには、まずヒトを大切にしなければなりません。
クラウドファンディングのように、不特定多数の信頼を勝ち取ることで、資金を確保できる例もあります。
収入が安定する目途が立てば、優秀な人材の雇用に必要な予算を立てやすくなるでしょう。
起業後に協力してくれる人を探すためには、自分の存在やアイデア・製品を露出する機会を増やし、信頼関係を築くことが大切です。